2012年02月21日 15時25分更新
年度末になると工事が目立つ感じがしませんか。 年度末の予算消化のための公共工事的な工事、特に道路工事を見かける機会が増えるので、今回は「工事保険」について述べたいと思います。
工事保険には工事の種類によって保険商品が異なります。
まずは、ビルや住宅等といった上モノを立てる場合、これは「建設工事保険」になります。
基本的には、工事を請け負った建設会社(元請負人)が契約者になって、請負金額を保険金額に加入されます。工事の受注をしても工事代金は工事完了して引き渡し後に漸く入ってくるので、それまでは建設会社の負担となります。
従って、建設中のビルそのものや工事の資材、現場事務所、宿舎等々といったものを対象に保険に加入していないと、作っていたビルが火災事故になって燃えてしまったでは洒落にもなりませんからね。また最近では建築資材が現場から盗難されるなんて事件も聞きますので、こうした場合も補償が出来る建設工事保険は絶対必要ですよね。
Dr.ウエノも損害保険会社に勤務していた時代に、ゼネコンさんを担当していたことがあって、その際、建設中のビルが超巨大台風の風災により倒壊し保険金をお支払いしたという経験があります。
続いて、工事の内容が、「道路工事」、「トンネル工事」、「上下水道工事」とかになりますと、保険の種類は「土木工事保険」となります。
ご記憶にある方もいらっしゃると思いますが、かなり昔に地下鉄のトンネル工事中に誤って陥没事故を起こして、上を走っていた道路が陥没し、電気・ガス・水道といったライフラインが寸断されたという事故がありましたよね。
さらに、ビル内の冷暖房・電気設備、ボイラ、タンク、発電プラント等の組立工事や据付工事を対象とする保険が「組立保険」となります。
このように「工事保険」は工事の種類によって商品が異なりますが、内容としては「工事の目的物」の補償を第一義に作られた保険となっています。
これに、働く方々の補償という形で、「政府労災上乗せ任意労災保険」、あるいは「傷害保険」を、工事作業中のミスで隣のビルを破損させたとか通行人にケガをさせたとかといった場合に負う法律上の損害賠償責任をカバーする「請負業者賠償責任保険」に加入するのが通例となっています。
まあ、こうした保険料も工事代金の中に入っている訳ですから、元請負人である建設業者は間違いなく保険加入されています。
こうした視点で見ながら、工事現場を通ると面白いでしょ。
Dr.ウエノは道を歩きながら何時もこんなことを考えていますよ。
「リスク」は凄く身近に存在します。
まさかの事態を「妄想」すると保険が好きになると思いますので、皆様も是非!!
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