2018年02月22日 18時58分更新
USENが損害保険に参入というニュースが流れました。
株式会社USEN-NEXT HOLDINGS社が損害保険事業に参入すると2月16日に発表されました。
グループの株式会社USENを通じて、子会社のUSEN少額短期保険会社の商品をUSENが業務店向けBGMサービスを提供している飲食店や理美容院、小売店などに販売するというもの。商品は、各損害保険会社が販売しているテナント総合保険的なもので、「お店のあんしん保険」という損害保険商品になります。
USENがBGMサービスを提供しているクライアントは何と62万件に及びます。
なかなか衝撃的ニュースですよね。
楽天がM&Aで楽天生命を作り、法人特化型訪問販売系保険代理店も買収して、楽天仮想市場出展企業に生命保険を売ろうとしましたが、生命保険の場合、個々の企業により提案が異なりますので、簡単ではありません。その点、損保の商品は簡単で業種・業態ごとにパッケージ化した商品が沢山あります。
楽天仮想市場に出展している企業も損保なら100%加入していて、現在加入している保険証券があれば相見積もりを提案するだけで簡単に切り替え出来ますので、こうした意図をもって今般、朝日火災を買収したと考えています。
その矢先のUSENの損保参入故に衝撃を受けました。
飲食店、理美容院、小売業等も当然、商品の火災保険やPL保険、各種賠償責任保険に加入しています。これを少額短期保険会社に作らせれば、保険金額の上限があるという大問題はありますが、保険料は損保各社よりは安くなりますので、一定数、切り替えが出来ると考えます。
自社クライアントを対象に、自社保険会社商品を販売されては、勝ち目がありません。
その意味で衝撃的と受け取りました。
今後、こうした展開は拡大・加速していくと想定されます。
調剤ドラックストアのマツモトキヨシがB to C で生命保険販売というニュースもありましたが、B to B で直撃されると一撃ですよね。しかも、損害保険はB to B 戦略には効果的と考えます。
業種・業態の垣根を超えて、保険会社や少額短期保険会社を使って自社クライアントにマッチしたオリジナル商品を創り、自社流通ラインを通じて、保険商品が提供され、しかも保険料が安いとなれば、そのマーケットを他の代理店が侵すことは出来ません。
損保代理店は生き残ること自体、難しい時代に突入しましたね。