2013年10月15日 12時38分更新
芸術の秋。
といことでも無いでしょうが、最近、よく絵画の保険の照会を受けます。
絵画に保険。。。
保険商品としては「動産総合保険」というものになります。
個人所有の絵画の場合は、「火災保険」でも補償できます。30万円以上する絵画は「美術品」扱いとなり、「明記物件」として契約時に「その絵画の価値」をきちんと確定させて別紙明細書に記載することで「家財」として補償することが出来ます。30万円未満の絵画は、家財一式のカテゴリーに含まれますので、家財に火災保険を加入しておけば大丈夫です。
法人所有の絵画の場合は、それに加え、その他危険として「破汚損」、「輸送中のリスク」まで補償できるため、通常当該保険をお薦めしています。
絵画の保険の場合の最大のポイントは「価値」です。
有名な作家であれば「美術年鑑」を見れば、絵画の号数あたりの価格が表記されたりしていて、これを参考に価格を算出することは出来ます。また、鑑定書や売買契約書等があれば実際に幾らで購入したかの裏付けを取ることは出来ます。
と言っても「美術品」も価格の上下動が極めて大きく、パブル期と今では大幅に価格が異なります。
しかし、引受の場合、このラインを疎かにすることはできませんので、一点一点の絵画、美術品を写真で撮影して、作家名、作品名、絵画でいうと号数等を調査し、価格を決定して行く作業が必要不可欠となります。
また、「真偽」も問題となります。非常に難しい問題ですが、「本物」か「偽物」かという点をしっかり見極めないと価格が決定できませんよね。
お客様にとっても大変な作業となりますが、この作業が出来ない限り、保険で引き受けることは出来ません。
こうした作業を終え、漸く保険料試算という流れになります。
当然、保管されている建物の構造、機械警備を入れるなど盗難に対してどんな対処が取られているか、建物の周りは住宅ばかりなのかオフィスビルばかりなのか等々を調査し、その他「リスク」の大きさを保険料に反映して行きます。
なかなか面倒ですよね。
でも、一点で数百万円とか数千万円もする絵画を無保険にすることは無理だと思います。
絵画や美術品の保険。。。
美術展をご覧に行かれた際には、絵画の鑑賞とは全く別に「これに保険掛けたら価値が幾らで保険料は幾らかなー」と考えながらご覧いただくのも趣が異なって良いかもしれませんよ。
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