2017年01月12日 17時49分更新
共同募集についての議論が始まりました。
損害保険では代理店分担という制度が古くからありますが、共同募集という概念とは大きく異なります。意外と理解されていないので、一度、整理してみたいと思います。
損害保険で使っている「代理店分担」。
これは一つの契約を複数の保険代理店でシェアすることを言います。
古くから使われていて、二つの代理店でも三つの代理店でも分担することが可能な制度です。そもそも損害保険には保険会社が複数でシンジケートを作って一つの契約をシェアするという共同保険という概念もあります。古くは住宅金融公庫なる機関が住宅ローンの貸し出しを活発に行っていた時代には、保険会社複数社で火災保険契約をシェアしていました。こうした歴史から代理店分担が普通に存在しています。
広島のA代理店の顧客が東京で新しい事業展開するにあたって損害保険が必要となり、A代理店は管理が出来ないとして知り合いの東京のB代理店に契約の依頼をし、通行税としてA代理店は顧客紹介という名目で例えば30%を代理店分担で貰うという形式は当たり前にあります。
一方、生命保険の共同募集とは本当に一緒に保険募集をするということが前提とされています。二人の募集人が一緒にお客様の所に行って契約をし、50%ずつの折半にする形が基本形となります。この共同募集の概念に損保系生保社が参入したことで、共同募集の概念が少し変化し、生保の共同募集にも30%対70%といったシェア分担が発生しました。
流石に損保のように三つの代理店でシェアは出来ませんが、かなり損保的な考え方がこの8年位で導入されて来ました。
そういった流れに確認を下す意味もあって、今回の共同募集の概念についての議論が始まったのだと思います。
共同募集については損保系生保社でも、きちんとしたルールが出来ています。
例えば、「マーケットホルダー」と「代理店」との共同募集については、「マーケットホルダー」の役割分担は『ホームページなどで集客した見込客に対して「名乗り」、「個人情報」と「大まかな意向」をヒヤリングし、代理店と連携する。「大まかな意向」とは電話や書面のやり取りの中で収集した見込客の要望や情報などを指す。』とされ、「代理店」の役割分担は『マーケットホルダーから得た情報を元にプランを作成の上、アポイントに従い訪問し、「名乗り」「募集」を行う。』とされています。
他のケースにおいても具体的な役割分担が決められていて、これに沿って取り組めば問題ないと考えます。
本来、共同募集については保険会社が容認して初めて成り立つ訳ですので、代理店が勝手にシェア割合を決めること自体おかしいと思います。
今後は元々ルール化されている訳ですので、正しい運営をしていくことで、クリアできる問題だと思います。
共同募集についても2017年は整理していかないといけませんよ。
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ネクタイ派手夫 08月16日11時45分