2012年04月22日 14時05分更新
先週、リスクの洗い出しについて述べましたのでも今回はリスクの分析・評価から述べたいと思います。
リスクを洗い出したら、次にすることは、洗い出したリスクをそれぞれの発生確率と損失の大きさから企業経営に与える影響を分析・評価して行きます。
そして、この作業には「リスクマトリクス」を活用します。
これは横軸に発生確率、対軸に損失の大きさを表したもので、それぞのリスクをマトリクス上に配置し四つに分類して行くものです。
分類上、発生確率が高く、起きた時の損失も大きいものを「レッドゾーン」、発生確率は低いが損失の大きいものを「イエローゾーン」、発生確率は高いが損失の低いものを「グレーゾーン」、発生確率が低く損失も小さいものを「グリーンゾーン」とし、リスクをそれぞれのゾーンにあてはめて行きます。
次に、それぞれのリスクをどのように処理するかを検討します。
リスクの処理方法は大きく分けて二つあり、一つは「リスクコントロール」、もう一つは「リスクファイナンシャル」と言います。これらを適切に合わせて最適な方法を選択・実施する流れになります。
リスクコントロールには、大きく四つあります。
まずは「回避」することです。例えば危険な事業から撤退する、或いは他の業者へ外注するといったものです。レッドゾーンにあるリスクは主にこの回避策を取ります。
次にリスクを複数に分割し損失が発生した際にも全体のダメージを押さえる「分散」です。
例えば、本社機能の分割、仕入れ・販売などの取引先の複数化などです。主にイエローゾーンのリスクに有効です。
次に損失の発生確率と大きさを小さくするための「安全・防災対策」があります。消火設備の設置、安全教育の実施、設備・機械等の定期点検、健康診断の実施などがこれにあたります。主にグレーゾーンのリスクに有効です。
最後にあるのは「容認」です。グリーンゾーンにあるリスクは、コントロールにコストをかけず発生した損失は容認するという考えです。例えば机や椅子、文具といった什器備品の破損リスクについては特に何もしないということです。
そして、リスクファイナンシングの考え方は二つ。
一つは「移転」です。
これは保険契約をすることによって予想される損失の全部または一部を保険会社に移転するものです。イエローゾーンのリスクに有効です。
もう一つは「保有」です。グリーンゾーンのリスクでも経済的損失は発生します。その際に自家保険や積立金、準備金などにより復旧を図る方法です。
如何ですか。
一寸、アカデミック過ぎますが、こうしてリスクの分析・評価からリスクの処理方法の選択をしていく流れがリスクマネジメントです。最近、リスクマネジメントについて改めて勉強したりしているので、今週もアカデミックになって恐縮です。でも、リスクマネジメントが保険の基礎となります。こうしたモノの考え方が大切なのです。節税を売りに保険販売していた方には出来ない発想です。
今、改めてリスクマネジメントが本格的に求められるようになって来ました。
この機会に是非リスクマネジメントについて学習されることをお勧めいたしますよ!
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