2018年10月25日 18時07分更新
東京海上社の「インシュアテック」の二つの取組が報道されました。
一つは、NTTドコモと組んだ「人工知能(AI)を活用する新しい保険商品」の開発発表。
スマホで集めた利用者の生活様式や行動のデータをAIが分析し、個人ごとに適した保険を提案するという「自分だけの保険商品」で、ドコモの共通ポイントサービス「dポイント」の会員を対象に、来年5月以降に売り出すという発表です。
当然ながら、加入から保険金の受け取りまでの手続きは、すべてスマホだけで完結します。
約6600万人の利用者を持つドコモは、携帯電話の口座を活用した決済代行サービスを強化し、保険を含めた金融全般にサービスを広げたい意向と報じられていました。
東京海上とドコモは、既に「ワンディ」保険の販売をしていて、自動車保険では約400万件の契約を獲得していますが、今回の「自分に最適保険」を使って、マイカーを持たなくなった若者等のマーケット開発が出来ると思いますね。
二つ目は、保険商品の契約手続きに2次元コード「QRコード」を活用するという報道です。
HD傘下の生命保険会社で、業界で初めてQRコードを使った契約手続きサービスを9月から始め、更に損害保険会社では2019年1月にも、主力の自動車保険で契約の更新時期を迎える顧客にQRコードを送付し決済させるというものです。
その上、顧客のスマートフォンなどから契約内容の説明や推奨プランなどを案内する動画に簡単にアクセスできるようにするということ
保険の契約手続きは煩雑で、負担に感じる契約者も多いので、QRコードと独自のウェブサイトを組み合わせて手続きを簡素化し、分かりやすくすることで、顧客利便性を向上し、競争力を強化するとしていますが、これでは保険代理店の存在意義がなくなりましたね。
東京海上日動あんしん生命保険は、契約内容の変更や解約のほか、契約者貸し付けや満期保険金の受け取りといった手続きをウェブサイト上でできるようにしています。
代理店などがこれらの手続きを必要とする顧客から連絡を受けた場合、QRコードを印字した案内書類を送付。顧客は、QRコードで専用ウェブサイトにアクセスし、手続きを完了できる仕組みで、これにより、請求書類への署名や押印のほか、公的証明書などの返送を不要にしました。
さらに、東京海上社では、自動車保険の契約満期を2カ月後に迎える顧客を対象にQRコードを印字した案内書類を送る取り組みを始めるとしている内容が凄い!
何と、QRコードは顧客ごとに分かれていて、顧客の契約内容に沿った案内動画が視聴でき、しかも、動画では契約内容の確認のほかに、補償の見直しなどを提案するというモノらしいです。
この状況で保険代理店が必要なのでしょうか。
しかも、LINEが損保ジャパン日本興亜社と組んでLINEほけんがスタートします。最初は身近な保険を安価で提供する方向ですが、徐々に商品の幅が広がって行くことは容易に想定できますので、益々、保険代理店を取り囲む状況は厳しくなりますね。
自動車の自動運転で長くても10年後には自動車保険の必要性がなくなり、損害保険代理店はなくなると言って来ましたが、着実に保険会社は直で保険契約できる体制を構築していますので、3年後生き残れるかもわからなくなりましたね。
「インシュアテック」を確実に進展させることで、保険代理店を介在させず代理店手数料の支払いがなくなれば、確実に保険会社の収益は上がりますね。
そのためには何をすべきかを考える必要があります。
現在、各地で保険代理店さんと意見交換するセミナーを開催しています。
是非、皆さんの地元の代理店を集めていただければお邪魔します。
是非、地域の保険代理店勉強会開催を企画して下さい。
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