2012年04月22日 15時19分更新
過去二回にわたって、リスクマネジメントの流れを述べて来ましたが、リスクアドバイザーとして求められる能力は四つと言われています。
今回は、それを紹介して、三回にわたってお送りしたアカデミックなコラムを終了したいと思います。
まず一つ目の能力は「気づく能力」です。
例えば店舗や施設で消火栓の前に荷物が置いてあった場合、これは危ないと気づけるかどうかということです。発見できないリスクに対処は出来ないことを考えると、この能力は最も重要だと言えると思います。また、この能力は訓練によって高めることが可能なものでもむあります。
二つ目の能力は「気づかせる能力」です。
いくらリスクアドバイザーがリスクに気付いても、お客様自身がそれを認識しなければ話は前に進みません。お客様が自らのリスクの存在に気付き、それに対処する決断をして初めてリスクマネジメントは有効に機能します。従って、リスクアドバイザーには、お客様のリスク感性を刺激し、やる気にさせるまでの能力が求められます。
三つめの能力は、「聴く能力」です。
リスクを洗い出す際には、お客様の情報を出来るだけ多く引き出すことが重要です。「この保険の設計に必要だから○○について教えて下さい」とういう質問ではなく、例えば「社長さんは、ご自身の会社にどんなリスクがあるとお考えですか?」という質問をぶつけてみることです。情報を引き出す目的は、保険設計のためではなく、リスクの洗い出しにあることをしっかり伝えて質問すれば、より多くの情報を引き出せるはずです。
四つ目の能力は「つなぐ能力」です。
質問の中で当然保険だけでは対処できない様々なリスクが浮かび上がってきます。そこで「このリスクは対応する保険が無いので・・・」といって放置してしまっては、リスクアドバイザーとは言えません。
リスクの分析・評価の過程で、それぞれのリスクの専門家へ的確にコーディネートを行うことが求められます。これは専門家にただ紹介するというのではなく、この企業にはこういうリスクがあるので、この観点からアドバイスをしてあげて欲しいといったことを、しっかり伝えることが出来る能力が必要だということです。
そためには、各分野の専門家の業務範囲を把握し、出来るだけ多くの専門家との緊密なネットワークを構築しておく必要があります。
そして、そのネットワークのメンバーに対してリスクマネジメント講習会を開催するなど、ひとつの「チーム」として機能出来るような仕組み作りも必要となると考えます。
如何でしょうか。
そんなに難しいことではありません。
こうした流れを身につけることが保険業界で勝ち残る手段だと思いますので、今一度、学習してみましょうね!!
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