2018年09月27日 18時09分更新
「敬老の日」に合わせた話題を考えてみましたので、損害保険代理店の皆様ご覧ください。
損害保険代理店が生命保険を「クロスセル」するということを20年以上取組んでいますが、なかなか進捗しませんね。「生保は狩猟民族」、「損保は農耕民族」と言われ、双方は全く相いれないと保険業界で言われ続けていますが、今後も恐らくクロスセルは無理だと思います。
しかし、生命保険の「引受緩和型保険」の幅等が広がっているため、まずはこの辺りからチャレンジされたらどうかと考えています。
ご存知のように高血圧や糖尿病といった持病があっても加入できる生命保険はあります。「引受基準緩和型保険」といい、健康な人が加入する通常の保険に比べて、当然保険料は割高となります。そもそもどんな仕組みなのでしょうか。
医療保険や死亡保険に加入するときには自分の健康状態を保険会社に伝えるのが普通です。この手続きを業界用語で「告知」といい、保険会社が保険契約を引き受けるかどうか判断するモノサシとなります。
会社によって多少の違いはありますが、通常の保険では十数項目の質問に答えなければならず、高血圧などの持病がある人は加入できないことが少なくありません。
引受基準緩和型の保険は告知を3~5項目に減らして通常の保険よりも加入しやすくした商品です。告知事項としてよくある質問は「過去5年以内に、がん、肝疾患、精神疾患、腎疾患で入院したり、手術を受けたりしたか」「最近3カ月以内に、医師の診察で入院や手術を勧められたか」などです。
引受基準緩和型保険の契約件数について公表された統計はありませんが、医療保険では契約全体の1割程度を占めるとみられます。保険料は通常の保険の1.1~2倍ほど。加入前からの持病で入院しても保険金は出ます。
さらに引き受け基準を緩和して原則としてだれでも加入できるのが「無選択型保険」です。平準払いの終身保険の場合、保険料は通常の保険の1.5~2倍以上です。
中には「告知がない」保険商品まであります。死亡したら50万円、100万円、200万円の3つの終身保険のみを販売していて、80歳まで加入することが出来るという商品です。
生命保険商品の引受判断は生命保険会社にあり、募集人には締結権がありません。従って、申込書、告知書等々を保険会社に提出し、これを保険会社がチェックして問題なければ漸く引き受けとなります。逆を言えば、ここで「謝絶」されたり、「特別な条件を付けての申込に変えられる」ことになります。
告知欄が少なければ少ないほど引き受けられる可能性は高い訳で、その意味で保険締結権を有する損害保険代理店にもストレスなく販売できるのではないかと考えています。
損害保険代理店の募集人は高齢化が進んでおり、多くの客が持病をもっている可能性があります。故にクロスセルが進捗しない一因にもなっていると思いますので、まずは「引受緩和型」や「無選択型」商品の提案でクロスセルにチャレンジしてみるというのは如何でしょうか。
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