2018年09月27日 18時04分更新
損害保険大手が、個人間での乗用車の貸し借りなど、若年層のクルマ利用に合わせた新商品の販売や、保険料の値下げを始めると報道されました。
若者のクルマ離れが進む中、短時間のドライブにも対応した補償などを用意し、自動車保険の加入者拡大を図ろうという意図のようです。
損害保険ジャパン日本興亜社は2019年1月、補償期間が12時間から加入できる自動車保険「乗るピタ!」を販売します。一時的に車を利用する場合の対人補償などを行う保険で、レンタカーなどを想定した事業者向けと異なり、「個人間の貸し借りにも対応」するとの保険で興味深いですね。短時間の利用に対応するのは、車を持たない若者が増える一方で、親や友人の車を一時的に借りて運転するといった使い方は増えるとみられるためで、車種などに関係なく12時間の補償で400円の保険料を想定しているようです。買い物やドライブなど数時間の利用に限定することで保険料を更に安くしています。
既に最短24時間からの一時利用に対応した自動車保険を販売している東京海上日動火災保険社は、2019年1月から、「初めて自動車を購入して自動車保険に加入する人を対象にした保険料の割引を拡充」するそうです。新規で自動車保険に加入すると特に若者でしたら保険料だけで軽自動車の中古車価格に近いという高額保険料で、若者の車離れの要因にもなっていたと思いますが、契約条件によっては保険料が年2万円程度安くなるケースもあるとのことで、加入促進に役立つと思います。
若年層を取り込む取り組みは他にも広がっていて、あいおいニッセイ同和損害保険社は既に「自動車保険に初めて加入する人専用の割安なプランを販売」しています。
三井住友海上火災保険社も今後、「新規加入者の保険料を引き下げることを検討」するということです。
自動車保険を巡っては、若年層の車離れを背景に「契約者に占める高齢者の割合が増える傾向」にあります。契約対象が一定の年齢層に偏り、新たな加入者が増えなければ保険金の支払いが増加し全体的な保険料の値上がりに繋がりかねません。保険料の負担感が増せば、若者の車離れを加速させる恐れもあるための各保険会社の対応のようです。
更に、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられると修理費がかさむため保険金支払いの増加が見込まれています。自動車保険についてはサービスの拡充で差別化してきた損保大手ですが、保険会社社員自体も知らない特約を増やして問題になったこともあります。お客様に本当に必要なサービスに絞って、保険自体も必要最低限度に絞り込んで、保険料そのものを安くする方向にしないと保険会社も生き残れないと考え、大きく舵を切ろうとしています。
保険会社に代わって、保険代理店のサービス競争が激化するかもですね。
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ネクタイ派手夫 12月05日19時09分