2012年08月30日 10時05分更新
ある日「がんです」と告知されたら何を思いますか?
私自身数年前に母が「がんかも・・・」と知人の医師から言われたことがあります。そのとき真っ先に頭を掠めたのは「死」でした。仕事も上の空で「母がいなくなってしまう・・・どうしよう」そればかり考え、実家に帰る車の運転中も気がつけば泣いていました。それまで看護師として、沢山の患者さんの「死」と向き合ってきてよい治療のお手伝いをしてきたつもりでしたが、実は自己満足や、押し付けの医療、つまり病院や治療者側の立場だったのではないかとドキッとした瞬間でした。
改めて身近なものの「死」と向き合ったとき、1秒でも長く生きてほしいと考えるのは当然なのですが、本人はどう生きたいのだろうと考えました。現代はがん=死ではないのですがどうしても「死」を考えないではいられません。医療従事者である私でさえそうでしたのですから、一般の方はどんなに不安でしょうか?そんな時医療者として患者さんが本当に望む生き方は何なのか一緒に考えそれに合った医療の提供が受けられるお手伝いがしたいと強く思いました。
患者さんは、みんなが必ずしも延命のための治療を望んでいるものではないと思います。本人がどう生きたいのか、その人らしく生きるとはどんなことなのか、これがはっきりすればこれからの目標が見えてきます。その目標のためにはどうするのがよいのか、どんな医療を提供することがよいのか明確になります。これこそが患者主体の医療だと考えます。
これからの医療は、がんに限らず患者さんが望む医療が提供されるべきだと考えます。そのために私たち医療コーディネーターが少しでもお役に立てたら良いと考えます。私たち医療コーディネーターは患者さんや家族の皆さんとともに考え情報提供などをして皆さんの望む生き方のお手伝いをします。
どうぞ元気なうちに一度自分らしく生きる・・・って何だろうと、考えてみるのも、人生の目標や自分のやりたいことを明確にする良い機会になるのではないでしょうか?
最後に、母の検査結果は「がんではないが今後がん化することもある」とのことで定期的な検査をしつつ大好きなグラウンドゴルフを楽しんでいることを付け加えさせていただきます。
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