2018年10月18日 18時42分更新
NHKスペシャルで「マネーワールド」という番組をやっていましたが、ご覧になりましたか。
2週にわたって3回のスペシャルで、第一回目の主旨としては、オールドエコノミーからニューエコノミーに資本主義の大転換期に入ったというものでした。
日本人のタンス預金は47兆円、日本企業の内部留保は446兆円もあります。
個人は使うモノがない、使うコトがないということでお金が動かず、法人は投資先がないということでお金が動きません。お金は使わないと経済が動きません。
どうすればお金が動くか。
スウェーデンでは、現金お断りの店舗ばかり。現金を無くせば「心理的なハードルが下がり使うようになる」、更にスマホのQR決済等だと使えない人もいるので「体内にICチップを挿入することでお金がより使いやすくする」という政策をとっていることが紹介されていました。
ドイツでは、経済学者ゲゼルの考えた「スタンプ貨幣」の導入を紹介していました。地方通貨、キームガウアーは、1ユーロと1対1で交換できる地方通貨。何とお金に「使用期限」があり、使わないと年6%目減りするという通貨になります。こんな通貨を何故使うのか。それは、毎年3%加算され、教会への寄付とかで使えて社会貢献ができる仕組みがあるからです。多くの方は地元子どもサッカーチームや教会等に寄付が自身のお金でなく地方通貨の上乗せ分で支払うことが出来、商店街としては使用期限があるので一定期間で必ず消費して貰えるということで成り立っている仕組みです。
そもそも貨幣の信用は何かというと「国家」にあります。逆を言えば、国家の信用がなくなると貨幣の価値はなくなるということです。日本でも第二次世界大戦後スーパーインフレが起こりました。南米ベネズエラでは年間1,000,000%という想像を絶するハイパーインフレが今現実に起こっていて、コーラ1本が400万ボリバルで、通貨が足りずに何も買えない非常事態に陥っていることが紹介されていました。
これに対し、仮想通貨の信用は何かというと「テクノロジー」であり「数学的プログラム」であると紹介されていました。国家を信用するのか数学を信用するのかで、国の概念が大きく変わる、そして資本主義自体が大きく転換すると論じられていました。
現在の保険業界も資本主義の上に成り立っています。資本主義そのものが大転換する中、保険自体も大きく転換すると想定されます。それが何なのかわかりませんが、トヨタとソフトバンクの提携を代表に、如何にフレキシブルにトップが動けるかが鍵になってくることは明白かと思います。
残念ながら、今の保険会社では、このフレキシブルな対応はまず出来ないと思います。出来ないのであれば、こうした考え方が出来る人財を如何に集めるかがポイントだと思いますね。今、人財が集まれば、数年で業界地図が変わると思いますよ。
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