2018年10月18日 18時38分更新
セクハラやパワハラなどで企業が従業員に損害賠償を請求された場合に備える「ハラスメント保険」の販売が急増していると報道されました。
セクハラを告発する「#Me Too(私も)運動」の広がりなどを背景に、企業は職場のトラブルを経営リスクとして捉えています。
ハラスメント保険は、正式には「雇用慣行賠償責任保険」などと呼ばれます。
パワハラやセクハラ行為に対する管理責任や不当解雇をめぐり、企業や役員、管理職が従業員から訴えられた訴訟が対象となります。損害賠償金や慰謝料、訴訟費用などを補償します。
例えば、上司からの度重なる暴言で退職したとして従業員に訴えられ慰謝料を支払った運送業者の事例では、約200万円の保険金が支払われました。
男性店長から長期間、体を触られるなどのセクハラを受けたとして女性従業員から訴えられ、慰謝料を支払った飲食店の事例では、約90万円の保険金が支払われました。
今年7月末までの1年間での大手4社の損害保険会社の販売件数は、約4万6000件で、前年同期比で約6割増加したそうです。
また、ハラスメントに対する損害賠償や残業料の未払い分請求など、労働トラブルを巡る民事訴訟件数は2017年では3526件と10年前より5割以上増えているとのことです。
労働トラブルは中小企業の方が多いと思いますので、中小企業こそハラスメント保険の手当てをした方が良いと思いますね。
企業を取り巻く環境は大きく変わりました。
我々がサラリーマンの時代、パワハラ、セクハラはこんな言い方をしては何ですが当たり前のようにありました。会議の席上で罵声が飛び交い灰皿が投げつけられたりといった訳の分からない理不尽なことが当たり前に行われ、パワハラが原因で退職した同期社員もいました。しかし、今、こうした企業はブラック企業となり、優秀な人材は集まらなくなります。
国は「働き方改革」を推進し、更に100歳まで元気にということで高齢者の就業も推進しています。健康経営が企業に求められ、メンタルヘルスチェックも義務付けられるようになっています。
こうした企業を取り巻く「リスク」は何があるのかをしっかり検証する必要があります。こうした「リスクマネジメント」を保険会社、保険代理店は業務として取り組む時代が到来していると思います。企業と共に「リスクを洗い出し」、「リスクを未然に防ぐために何の対策をすべきかを考え」、「万が一、リスクが生じた場合は保険対応する」という「リスクマネジメント」に取組むことが求められています。
「ハラスメント保険」の提案を皮切りに、企業のリスクマネジメントの提案をしっかりしていくことで「新しい収益を構築」し、「企業との信頼関係をより強化」しては如何でしょうか。
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