2018年10月04日 18時33分更新
大企業の会社員とその家族などが加入する健康保険組合のうち、全体の42%にあたる580組合が2017年度決算で赤字となったことが報道されました。
全組合を合算した収支は黒字を確保しましたが、黒字額は1346億円と16年度比で1030億円減少。大型健保が相次いで解散を決めるなど、高齢者医療費を補完する支援金負担が重くのしかかる実態が改めて浮き彫りになりました。
健康保険組合連合会(健保連)が1394組合の収支状況を発表しました。
内容としては次の通りです。
・赤字組合数は前の年度と比べて39増えた。
・保険料率を引き上げた組合は204。
・平均保険料率は0.057ポイント増の9.167%と10年連続で上昇した。この間に被保険者1人当たりの年間保険料負担は約10万6千円増えておよそ49万円に達している。
健保組合は加入者向けに医療保険事業などを手掛けており、原則として国からの補助を受けずに独立採算で運営されています。近年は高齢者医療費をまかなう支援金負担が大幅に増加し、財政状況を圧迫。17年度決算で支援金は7%増の3兆5265億円まで膨らみ、保険料収入8兆843億円のうち4割以上が支援金に回っている計算になります。
財政状況の悪化を受けて、加入者数が多い大型健保が相次いで解散を決めている。加入者16万人の日生協健保、同50万人の派遣健保は今年度いっぱいで解散します。
「高齢者医療の負担構造改革に一刻も早く取り組む必要がある」と発表されましたが、高齢者になるまで何もしなかったら結果は見えていますよね。
毎年実施される健康診断や人間ドックを受けた後、診断書に「要注意。病院で精密検査を」とか表記されていても誰も病院に行きませんよね。この段階で特定保健指導を受けて、メタボな方は体重を減らすために、運動するか食事療法を受けるかをしないと、結果10年後には病気になって健康保険組合に大きな負担をかけることになるのです。でも、これが出来ない現状にあります。健保組合からメタボ対象者には病院等に行くよう指導がされますが、なかなか行ってはもらえません。最近は「ホワイト500」といった制度も出来て、一定率の特定保健指導を受けないと国から企業名が公表されることになりました。企業が社員の健康を守る姿勢をもっと強く前面に打ち出さないといけない時代となり、どこの企業も「健康経営」と言葉だけが先行している感じです。
大企業は何とかなるとしても「健康経営」は中小企業にとってはもっとハードルの高い、難しい取組だと思います。
そこで、調剤薬局の管理栄養士による特定保健指導が注目されています。調剤薬局は各地に58000店舗以上あります。コンビニの数よりも多い勘定となります。要するに、あなたの家のすぐ近くに必ずあるということです。であれば、行きやすいですよね。処方箋なしで気楽に立ち寄れる調剤薬局になることが今、厚労省から求められています。
そして、こうした調剤薬局に保険ショップを出店する「みんなの健康ラウンジ」がスタートしています。調剤薬局に来店されたお客様とのコミュニケーションを薬剤師や管理栄養士に代わって行い、悩み事や困り事等色々なお話を聞きます。聞くことで心のストレスが緩和されて体調が良くなることもあります。そして、お話を聞いた後、管理栄養士の方から特定保健指導をしていただきます。
保険代理店にも顧客に多くの中小企業がありますので、既存契約者の健康経営を支援することで企業との関係を強化することにも繋がります。
調剤薬局に保険ショップを出店し、地元企業の健康経営を支援し、地域を元気に健康にして医療費を削減するというスキームに挑戦されませんか。
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