2017年04月20日 18時26分更新
「Fintech」(フィンテック)という言葉をお聞きになった方は多いと思います。
「ファイナンシャル」と「テクノロジー」を掛け合わせた造語で「ファイナンス・テクノロジー」の略ですが、最近、Dr.ウエノの周辺でも、ティンテック関連の話を聴くことが非常に多くなっており、フィンテックが動き出していることを肌で感じています。
保険業界では、「インシュアテック」とか「インステック」とかの造語が作られ、Dr.ウエノも機を逃すことなく株式会社インステック総合研究所を昨年立ち上げてみました。株式会社インステック総合研究所のホームページにはフィンテック関連の記事を日々紹介していますので、ご覧ください。
そて、「保険でフィンテック」というと、①保険加入の入口、②保全、③保険金支払いの出口、この三つで如何にテクノロジーを活用した効率化等が図れるかという図式だと考えます。
保険金支払いの出口については、先日もかんぽ生命と日本IBМがIBМの人工知能(AI)コンピュータ「ワトソン」を使っての保険金の支払い審査を始めたというニュースが流れていました。AI活用で、審査の精度を高めながら、支払いまでの時間を短くできるという訳ですね。
損保のマリン保険でも、「ブロックチェーン」の活用を検討する動きが出てきました。
ブロックチェーンとは暗号化技術を活用し、取引履歴などの台帳を分散管理・同期することで改ざんできないことを保証できる仕組み。金融取引や株式取引などのシステムへの適用に革新的な技術として注目され、損害保険業務でも活用の動きが始まっています。
損保では損保の歴史の始まりの商品でもある「海上保険」ですが、輸出入に関わる外航貨物海上保険では船荷証券や信用状、保険証券など関連書類はいまだに紙がベース。損保の時代を切り開いた海上保険が今では取り残された形になっています。
そこでデータの秘匿性を確保しつつ、関係書類の電子化、業務の効率化をブロックチェーン技術で実現できないか、実証実験の動きが出てきた訳です。
保険証券の電子化が叫ばれたのは20年以上も前の話。
当時はセキュリティーの課題、関係者間でシステムを同一化する際のコストの問題がありましたが、ブロックチェーン技術で漸く解決される可能性が出て来ました。
フィンテックについては、一般社団法人フィンテック協会が設立され、保険部会も開催されています。最近、当協会と接することがあり、そこから保険業界のフィンテックについての斬新な提案を観る機会が増えていて、Dr.ウエノも可能性を感じ始めています。
どんな全く新しい「形」が出来るのか、注目したいと思います!
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