2017年01月12日 17時55分更新
アンチ・エスタブリッシュメントというワードをお聞きになったことがありますか。
昨年のアメリカ大統領選で、トランプ陣営が良く使っていたワードで知られるようになりましたね。
エスタブリッシュメントは、社会的に確立した体制や制度、またその階層や組織のことを言います。これに対して、アンチ・エスタブリッシュメントはこれらに反抗することを言います。
トランプ陣営は自身の陣営をアンチ・エスタブリッシュメントとし、クリントン陣営をエスタブリッシュメントと称して、既存体制からの脱却を訴え、当選しました。トランプ氏は大統領就任当日にTPPからの脱却を表明しており、世界は反グローバル化、保護主義化に進もうとしています。保護主義になれば自国の雇用が増え、給与が上がり、経済は復活すると考えますので、悪いことではないと思います。
この「アンチ・エスタブリッシュメント」は、保険業界にも忍び寄っていると思われませんか。旧態の保険代理店制度や保険業界で当たり前で通っていた色々な制度や体制等が否定され、全く新しい制度や体制に変化する潮目に2017年がなるような肌感覚があります。
昨年20年ぶりに改正された保険業法の運営も2年目に入ります。
昨年11月に全国各地の保険代理店100店以上に金融庁、財務局からモニタリングがありましたが、今年もモニタリングは継続されると考えます。実際、昨年11月にモニタリングを受けた某代理店には今年3月に改めて来ますと言い残して帰られたという情報もありますので、間違いなく実施されると思います。
この代理店は損保代理店で、モニタリングの際に「高齢者対策」について詰問されました。高齢者対策として代理店は、例えば ①必ず高齢者の子どもを同席させて保険の説明等を行う、②一回でなく複数回面談することで理解を深める等といった体制を構築する必要がありますが、どういった方法を取っているかを質問しています。
これだけで終わらず、当該代理店の店主、募集人自体が高齢者であることに触れ、そもそも高齢者が高齢者に保険の説明が出来るのかと質問しました。これって、当該代理店の体制自体を変えるよう警告を発したことになりますよね。この警告に対処するためには早々に若い募集人を採用し、契約更改等は若手に移譲していく必要が求められると思います。
ここまで代理店運営に入って来られこと自体が、アンチ・エスタブリッシュメントだと考えます。
2017年は保険業界もアンチ・エスタブリッシュメント旋風が吹き荒れる可能性が高いと考えます。
この風を「北風」とするか「南風」あるいは「追い風」にするかは、保険代理店の行動によって大きく異なります。
風が止むのを待っていると変化についていけなくなると考えます。
「南風」、「追い風」にするためには何をどう取り組めば良いかを新年早々から真剣に考えて行かないとダメですよ。
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