2013年10月08日 11時20分更新
損害保険各社の自動車保険(任意保険)が10月から変わりました。保険料の仕組みが「新制度」に基づくものとなりました。昨年10月以降に契約した車が交通事故を起こした場合、翌年の保険料が従来より大幅に引き上げられるというもので、事故削減の努力をより一層契約者は求められています。
自動車保険の契約者は、一般的には「6等級」からスタートし、1年間無事故であれば、翌年は1等級上がって7等級となり、保険料は安くなります。反対に事故を起こすと3等級下がり、保険料が高くなります。これが「等級」というもので、1~20等級まであります。
新制度では、「7等級」以上では同じ等級であっても、従来の等級ラインとは異なる「事故あり等級」という別の等級に移行することで、事故を起こしたドライバーの保険料は従来より割り増しになります。同じ等級に戻るまでの3年間、割高の保険料が適用されることとなります。
損害保険各社でつくる日本損害保険協会は、この改定を事故抑止を図るとともに、「契約者間の不公平感を是正するため」と説明しています。事故の頻度に見合った保険料の差を設けることで、負担の公平性を保つという訳です。
自動車保険を取り巻く環境の変化も影響しています。若者の「車離れ」に加え、ドライバーの高齢化による事故の増加で自動車保険事業の収益が減少してためですね。
どの位の保険料負担増なのかを試算したデータがありましたので紹介しますね。2012年10月1日~13年9月30日の期間に衝突事故を起こして17等級に下がった「事故あり」と、事故を起こさず17等級に上がった「事故なし」がともにその後3年間、無事故だったと想定して比較すると「事故なし」の保険料は4年間で約27万円になるのに対し、「事故あり」は約35万円になりました。「事故あり」は1年後、旧制度に比べて約3万円高くなる計算です。
「保険をどのように使うかを、より考えなければならない時代になった」という専門家もいらっしゃいます。例えば、バンパーに傷がついた程度の軽微な事故であれば、保険を使わずに自費で修理した方が得策なケースがあります。保険金を請求すると、かえって保険料が割高になる可能性がありますからね。
自動車保険では、加入が義務づけられている自賠責保険の保険料も4月から平均で前年度比13・5%引き上げられているので、家計の負担を減らすためにも、契約内容を確かめ、安全運転を心がけたいものです。
複数の保険会社の自動車保険を扱っている「来店型保険ショップ」は相談窓口には最適だと思います。
自動車保険証券と車検証をもって是非お近くの保険ショップに行って、複数の保険会社の見積もりを取って比較してみることをお薦めします。特に「通販型」の自動車保険は保険料としては非常に安価になりますので、切り替えを検討されることも良いかと思います。
何でも値上げの中で、こうしたライフラインを構成する自動車保険の値上げは結構家計に響くと思います。何においても自助努力が必要な時代がやってきましたね。
次の記事