2019年02月15日 17時47分更新
地方銀行や信用金庫の店舗スペースが「地域とのつながりを広げている」と報じられました。
世田谷信金の船橋支店は、支店の3、4階部分を認可保育園に貸し出しています。同支店は小田急線千歳船橋駅から徒歩2分の好立地で、日当たりも良好、金融機関の拠点のため建物は堅固で安全性も高く、駐車場も備えているため、保育園は満員とのことです。
「共働き世帯がもっと住みやすい地域になれば地元の賑わいに繋がると考えた」と信金担当者がコメントしていました。
都内では、23区東部が地盤の朝日信金でも来年4月、荒川区に認可保育園を開設するそうです。
金融庁は2017年9月、金融機関向けの監督指針を一部改正し、それまで兼業が原則認められず、所有不動産の賃貸も要件の範囲内にとどまっていましたが、これを公共的な使い方をする場合は柔軟に貸し出せるようにしました。こうした規制緩和が、店舗の活用の幅の広がりを促している訳ですが、「地域とのつながり」が金融機関の支店をハブに展開できれば、更なる拡大が期待できると思います。
企業と学生の交流拠点「知るカフェ」を支店内に併設したのは、みなと銀行の学園都市支店。無料でドリンクやWi-Fiを用意してあるそうです。運営は地元企業・団体を中心としたスポンサー費で賄っていて、学生がスポンサー企業の担当者と交流できるのも特徴とのことで、ここから企業の採用につながった例が複数あるなど就活支援となっているそうです。
愛媛県が地盤の愛媛銀行は2018年春から西予市の無人出張所の空き部分を救急隊員の待機場所として同市に貸し出しているそうです。一定の講習を受けた准救急隊員を含む救急隊員3人が常駐する待機所が設けられたことで、早朝・深夜や休日も出動できるようになったとのことです。
金融機関の店舗は、駅前などの一等地に立地するものも多く、シニア等にとっても利便性が高く、こうした使い方が出来ると地域貢献のハブとして機能できます。地域住民が集い、コミュニケーションが取れる昔の公民館的存在として機能して地域の支えとなることが出来れば金融機関としても新しいニーズも生まれて来ます。
保険代理店、保険ショップも同様です。「保険を相談できる場所」という概念を脱却する時が来ていると思います。保険代理店に地域の「人が集い」、「コミュニティを作る」、「地域社会に貢献する」等々といった機能を持たせるために何をすべきかを考えてみては如何でしょうか。保険代理店の事務所や保険ショップを誰でも気軽に立ち寄れる場に変えて行くために他業種と組む、サービス機能を充実させる等の取組を強化し、多様化を図るべきです。
前の記事
次の記事