2017年10月19日 18時22分更新
超長寿化が進む日本。
実際、100歳まで生きることも決して珍しくなく、1963年はわずか153人しかいなかった100歳以上は、2017年には約6万8000人に達しています。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では2050年には50万人を超えるとされていますし、英経済学者リンダ・グラットン氏は著書「ライフ・シフト」の中で、日本で2014年に生まれた子どもの半数は109歳まで生きるとの推計を紹介しています。
だんだんと現実味を帯びてきた「人生100年時代」を見据え、美容、金融、教育、住宅等で消費者ニーズを探る動きが出てきています。
超長寿が当たり前になれば、人々が求める商品やサービスも大きく変わるはず。
そんな変化をにらんだ「事業シフト」の模索が始まりつつあります。
まずは「美容」。
神戸市にある美容外科診療科の患者は31%が60歳以上、70歳以上も14%を占めています。若い女性がほとんどと思っていましたが、三分の一は60歳以上という実態です。「歳をとっても元気に活躍できる社会をつくる一助になれば」と当診療科もアンチエージング美容に注力しようとしています。ここは間違いない需要だと思いますね。
「保険」でも、日本生命が2016年に発売した終身年金「グランエイジ」は、死亡時の保険金や解約時の返戻金は少ないものの、生きている間は多めの年金をもらえる「長生きリスク」に備える保険で、発売後1年余りで契約は4万5千件を突破しました。生きるリスクは保険の柱となり、且つ健康に関係した保険商品がドンドン出てくると想定されますね。
「教育」でも、超長寿に備えて学び直したい人に向けた取り組みも出たため、早稲田大学では今年10月から会員制ラウンジを開設し、最先端のビジネス動向を学び、他分野のリーダーと交流できる拠点としようとしています。早稲田大学では「人生が長くなり、仕事をしながら学び直す需要が高まっている」としていて現役世代を中心に会員増大を図ろうとしています。日本人は学ぶことが好きなので、この需要も間違いなく来ると思いますね。
そして「住宅」。寿命が延びれば「住む場所」の確保も不安になります。
マンション管理を手掛ける伊藤忠アーバンコミュニティ(東京)は施工業者らと「100年マンション研究会」を開催し、修繕セミナーなどを開き、高齢化への対応を探ると同時に「安心して長く暮らせる物件をつくりたい」としています。
政府は簡単に「人生100年時代突入」としていますが、100歳まで生きるとなると、子どもは70歳くらい、孫は40歳くらい、曽孫が10歳くらいで、今とは全く異なるライフプランが必要となります。住宅については4世代住宅が登場したり、学校には行くことはなくテレビ会議で色々な勉強が出来、再生医療で若返りが当たり前になれば、保険が一番大きく変化するのではないでしょうか。
秋の夜長、こうしたことをツラツラ考えてみるのも一興かと思いますが。
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