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 シニアのデジタル対応|とれたて!損害保険|上野 直昭

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 シニアのデジタル対応

インターネットやスマートフォン(スマホ)を駆使する65歳以上のシニア層が増えています。ネット通販の利用率は10年で3倍に膨らみ、メールやホームページ閲覧から用途が拡大、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及も順調です。

 

総務省が5年に1度実施している社会生活基本調査の2016年版では、1日12時間以上パソコン・スマホを使う70歳以上の人は日本におよそ8千人。家計消費状況調査によると65歳以上でネット通販を利用した世帯の割合は14.3%と、06年の2.9倍に拡大しています。

それでも60歳以上のスマホの利用率は19%で、タブレット端末は9%。これに対して米国では65歳以上のスマホの利用率は42%、タブレット端末は32%に達しています。

 

シニアのデジタル化が日本で鈍い理由の一つが、ネットやスマホが難しいという先入観だと思いますが、実態はかなり違うと思います。

以前、保険ショップで通販型自動車保険のキャンペーンをやりましたが、加入された多くの方がシニアでした。暇つぶしに一日かけて申込み入力をしたと嬉しそうに仰っていた方もいらっしゃいましたが、一般に考えられているほどシニアの能力は低くありません。シニアのユーチューバーもいらっしゃいますし、インスタも普通に使っている方を多く知っています。

 

こうした事情を企業側は需要を正しく捉えているのでしょうか。

高齢者向けに機能を簡単にして文字を大きくしたシニア向けスマホがありますが、70歳代でこれを使用している割合は通常のスマホの1割未満に過ぎません。シニアはシニア扱いをされるのを嫌っていることを立証するデータであり、要するに「使い方がわかればシニアも十分使いこなせるし、様々な情報に触れることで消費ニーズも喚起される」訳です。

むしろ、デジタルに強いシニアは情報の収集欲や新製品の購入意欲がいずれも高いというデータもあります。1カ月に1万円以上外食する割合はネットをそれほど使わない人の1.4倍との試算もあり、お財布のヒモを緩めてくれる可能性があります。

 

注目されるデジタル機器「AIスピーカー」には、富士通、東芝といった電機メーカーも続々参入してきますが、富士通が運営するシニア向けのSNSは会員数が120万人と国内最大規模。AIスピーカーが普及すれば、シニアがデジタル情報と接する機会を増やすことができると考えます。

 

保険ショップで「携帯電話を使いこなせるセミナー」を以前、やったところがありますが、今こそ推進すべきかと思います。一緒に勉強することで信頼感を構築し、色々な情報を入手できると思います。

 

ちょっと角度を変えたお客様との出会いを構築し、ここから保険ニーズを喚起する戦術、如何でしょうか。

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