2014年06月02日 12時07分更新
前回コンビニの戦略についての記事を転載して好評でしたが、今度はマックとスタバの戦略が分析されていました。
保険ショップの運営にも共通する所があるので、転載します。
「スターバックスの2014年3月期の決算が発表され過去最高を記録する好決算となりました。
注目すべきは利益面でハンバーガー業界の“巨人”マクドナルドを抜き去ったことでしょう。
経常利益を比較すると、マクドナルドの102億円に対して、スターバックスは110億円、最終利益はマクドナルドの51億円に対してスターバックスの60億円と、好調のスターバックスが不振に喘ぐマクドナルドを逆転したのです。(マクドナルドの決算は2013年12月期)
なぜ、デフレ時代に破竹の勢いで快進撃を続けてきたマクドナルドは景気が回復してきた今苦戦しているのか?、
そして、最近ではコンビニの安くておいしい本格的なコーヒーがコーヒー市場を席捲していますが、なぜそのコンビニのコーヒーに負けることなくスターバックスは業績を伸ばし続けることができるのか?
今回は“価格”と“価値”という視点から両社の勢いの差を分析していくことにしましょう。
■ “価格”を売るマクドナルド
マクドナルドのビジネスの特徴として、『週替わりのクーポンを発行して集客を図る』ということが挙げられます。店頭で顧客の注文を眺めていると、実に多くの顧客がスマートフォンや携帯電話の画面に映し出されたクーポンを提示して購入しているシーンに出くわします。
この意味ではマクドナルドのクーポンを活用した集客は成功を収めているともいえるでしょう。ただ、これは裏を返せば、顧客はクーポンがなければマクドナルドには行かないということの表れでもあります。
マクドナルドにとっては利幅を削ったクーポンを呼び水に、他の利幅の大きな商品を追加で購入してもらい収益を調整する“マージン・ミックス”を実現したいところですが、多くの顧客は、100円マックやクーポンで割引された商品だけを購入するなど、おいしいところだけをつまむ“チェリーピッカー”と化しています。
このような顧客の特徴は“価格”を買うところにあります。
購入の判断基準は『価格が安いか?』や『コストパフォーマンスが高いか?』にあるのです。ですから、“価格”を買う顧客には、“価格”が重要なのであって、ブランドにはこだわりがあまりありません。
マクドナルドの苦戦の原因は、自ら“価格”を売り、価格に敏感な顧客を集めてしまったところにあるのではないでしょうか。
■ “価値”を売るスターバックス
“価格”を売るマクドナルドに対して、スターバックスは“価値”をそのビジネスの中心に据えています。
たとえば、スターバックスが4月16日から期間限定で発売したバナナフラペチーノは生のバナナをまるごと使用した価値ある一品ですが、価格もトールサイズで610円とカフェで販売する商品としては高額の部類に入ります。一見、「そんな高い商品が売れるのか?」と思われがちですが、発売を開始するやいなや話題が沸騰し、予想を上回る売上に各店舗で完売が続き、早々に販売終了になりました。
スターバックスの提供する“価値”に魅了された顧客は価格に左右されることなく、スターバックスが高い価値を提供し続ける限りは顧客であり続けます。スターバックスの好業績の背景には、このような“価値”を求める顧客が積み重なって顧客基盤が拡大していくという背景があるのです。」
両社の比較、如何ですか。
大幅な顧客流出で業績がなかなか上向かないマクドナルドは“価格”を買う客を集め、勢いに乗るスターバックスは“価値”を買う客を集める・・・
現在の両社の勢いの差は、この“価格”を売るか、“価値”を売るかにあるのではないでしょうか。
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