2013年01月16日 07時11分更新
赤血球数やヘモグロビン量(血色素量)が少ない状態を貧血といいます。赤血 球には、肺から全身の組織に酸素を運ぶ働きがあり、赤血球中の蛋白質である ヘモグロビンの鉄に酸素が結合することにより供給されます。この血液による酸素の供給が不足した状態が、貧血の臨床症状となります。
貧血の臨床症状はさまざまであり、倦怠感、めまい、易疲労感、動悸、息切れ、 肩こり、頭重感、顔面蒼白、嚥下困難、口角が切れる、スプーン爪、枝毛抜毛、 皮膚乾燥などがあります。貧血の原因は大きく、過剰な失血、赤血球の産生不足、赤血球の過剰な破壊の3つに分類できます。とりわけ過剰な失血による貧血が最も多いようです。 過剰な失血により起こる貧血が、鉄欠乏性貧血です。
消化管出血や子宮筋腫 など失血の大きな原因疾患がない場合には、生理的なことが貧血の原因となります。 閉経前の女性は、月経による出血で鉄欠乏性貧血になることがあります。また子供、思春期の女児、妊婦では、食事からの鉄分の不足により鉄欠乏性貧血を生じることもあります。日本では、食生活の不規則化や若年者のダイエット志向などにより鉄欠乏性貧血が増加傾向にあります。
なお、中高年男性や閉経後女性の鉄欠乏性貧血では、悪性腫瘍による場合があります。貧血の原因について分かっていると良いですね。
一般に鉄欠乏性貧血の治療には、鉄分補給を行います。つまりフェロミアなどの鉄剤を内服するのですが、その効果は出血が止まったとしても3~6週間を要 します。治療終了して貧血が治ったことは、ヘモグロビン濃度により知ることができます。
したがって生命保険等の申込に際して、貧血治療の既往歴について告知する場合には、 貧血の「原因疾患の有無」「完治後のヘモグロビン濃度」「その測定日」「病院名または 臨床検査機関名」を告知することが大事です。さらに貧血の原因となる疾患がないことを証名する上でも、定期健康診断結果や人間ドック成績表を提出することをお勧めします。
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