2017年02月09日 18時33分更新
一昨年は日本生命が来店型保険ショップと訪問販売型代理店を買収し、昨年は山口フィナンシャルグループの子会社保険代理店による中堅来店型保険ショップの買収、楽天株式会社の訪問販売型保険代理店の買収と続き、保険代理店業界はまさにカオスの時代に突入しました。更に、昨年9月には携帯電話のドコモショップでの保険販売、同業態のauでも保険斡旋と、保険の販売は他業種・他業態にも拡大しています。ここに昨年5月の保険業法の改正が追い打ちをかけ、「これでもか」というほどに保険業界は大きな転換期を迎えました。
保険ショップ創業時からこの道一筋の筆者も想像を超えた「大きな潮目」を肌で感じています。ここ数年、筆者には「新規事業で保険事業を検討したい」という多くの企業から「意見を聴きたい」ということでお呼びがかかりますが、必ず最初に「何のために保険事業への参入を検討されていますか」と質問させていただいています。皆様でしたら、どう回答されますか?実はこの回答の殆どが「旬な感じで儲かりそうだから」という極めて安易なものです。申し訳ありませんが「儲かりそうだから」では間違いなく失敗します。「本業とのシナジー効果を考えて」とか、「本業でお世話になっている顧客に対し保険という新しいサービスを展開することでCSを上げたい」くらいの回答がせめてないと保険事業参入の「組立」が出来ません。「本業がある」のですから、これを絡ませることで「新しい保険販売の手法が生まれる」のです。
今、全国に展開する2300店余の保険ショップも個々に異なる手法を活用して生き残っているのであって、金太郎飴的な手法では無理なのです。そんなに保険ショップ事業は甘くはありません。「出せば儲かる」訳ではないです。多くの企業による保険事業参入が拡大しないのは、こうした粗雑な構想から発しているからです。「顧客は良く分かっています」。儲けのために出店した保険ショップに行くと「ここの店舗は金儲けの店」だと何となく解ります。
これを払拭するために必要なことは「保険販売をすることで何をどうしたいか」という明確なビジョン、コンセプトです。混沌とした2017年の保険業界では、これなしでは勝ち残れないと考えます。それは何なのか?保険ショップ業界をリードして来た一般社団法人保険健全化推進機構結心会には現在「明確な二つ」のビジョン、コンセプトがあります。これらは机上の空論ではなく、来店される顧客と直接接し続けたことでのみ感じ得るご要望を形に替えたもので、全国各地に展開し「日々、お客様のために保険募集をさせていただいている」結心会会員でしか成し得ないものだと考えています。昨年開催された金融庁主催のフィンテック・サミットでも聴衆の大多数から「5年後には保険は変わる」と考えているなど、遠くない将来での変革が予想されていました。
「保険そのものが変わる」中、それを販売する「保険代理店も変わる」のは当たり前です。何故、保険そのものが変わらなければならないのでしょうか。ここに大きなヒントがあると思います。この方向軸に向かって保険代理店も明確なビジョン、コンセプトを持つことが今、求められています。「いつか」ではなく、それは「2017年」だと確信しています。「一県一行」構想もある中、生き残りをかけて、もう一度、顧客目線で全ての物事を考え、地域住民のために何が出来るのか、顧客に対するベストプラクティスとは何かをトコトン追及して行こうではありませんか。
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