2013年10月29日 11時04分更新
その1とその2、その3に引き続きまして逓増定期保険の名義変更プラン(以下、MHP)詳しく解説をいたします。
経営者は相当なリスクを背負って事業を経営しています。事業上において資金繰り難になれば自らの預貯金を投入するばかりでなく、個人所有の不動産を担保に入れて資金調達を行います。さらには連帯保証債務という最大の荷物を背負っています。
だから経営者は資金を持っていなければなりません。いつでも自由に使えるまとまった資金があっても、経営者は安心する事は出来ないでしょう。
ですが資金がないよりはある方が良いに決まっています。ただ役員報酬で個人へ支払うと最大で55%引きとなり、手元には半分弱しか残りません。
さらに次世代へ事業承継をする際、相続・贈与を行っても最大で50%の課税がされるために法人の利益は半分の半分となり、25%しか後継者に残す事が出来ません。
この事がMHPを導入する最大の目的の1つだと私は思います。
さらに逓増定期保険という商品を活用するために、死亡保険金という保障が付く点も私は見逃せないと思っています。事実、名義変更目的で加入した逓増定期保険の死亡保険金請求を行ったケースがありました。
この時に、保険金額が低いGHTにはない魅力がMHPにはあると私は思いました。
ちなみに私は、お客様の法人数社で役員に就任しています。そのために、MHPに関する税務調査に立ち会った経験もあります。詳細な説明のために所轄税務署へ行って説明をした事もあります。
この他にも保険契約をされているお客様に税務調査が入り、名義変更に対して指摘をされた事例も沢山あります。ですが1件も否認をされていません。
これは私が相当な覚悟を持って提案し、経営者もその覚悟に応じて覚悟を決めて頂いたからではないかと勝手に自負しております。もちろん提案した経営者の中には、覚悟が至らずに成約にならなかった事例も山の様にあります。
ですが、私は契約に至らなくて良かったと考えています。単に手数料欲しさで、もう少し優しい事を言えば幾らでも逓増定期の契約が取れたでしょう。
ただ、安易な気持ちで加入して最後に困るのは税務調査に対応するお客様です。その事を考えれば、しっかりと説明をした上で加入しないという意思決定をして頂いたお客様のご判断は素晴らしいと私は思っています。
最後にMHPについて整理します。
MHPは非常に高度なリスク管理が必要です。
まず検討しなければならないのが「名義変更の経済的合理性の確認」です。法人から個人へ名義変更をする理由に正当性があるかどうか?は一番大切なテーマです。
次に個人へ名義変更した後の取扱についてです。
解約返戻金が増えた時点ですぐに解約→現金化をするのか、それとも払済終身にするのかどうか?です。この点については、保険会社の健全性と永続性も視野に入れておかなければ非常に怖い点になります。
次に確認をしておかなければならないのが、税務調査時の対応についてです。顧問税理士は税務調査に長けているか?税務調査時に顧問先を全力で守ってくれる税理士かどうか?を確認し、調査対応に不安があれば顧問税理士を変更するか、セカンドオピニオンとして別の税理士を手配する必要があります。
最後は、保険営業パーソンの事業継続性です。契約から名義変更、そして個人で解約しその後に調査が入る事を想定すれば10年間程度、ずっとフォロー出来るかどうか?という点です。
売りっぱなしで逃げるのは絶対に止めて下さい。そういう心ない保険営業パーソンがこの業界の地位をおとしめてきた歴史をご存知だと思います。
たとえ保険営業の仕事を離れても、何かあればお客様のところへ駆けつけるくらいの気持ちを持って対応して頂きたいと思います。なぜならそれだけの対応に値する販売手数料を頂いているのですから・・・・
このMHPが正しく使われて、1人でも多くの経営者のお役に立って頂く事を心から願っております。
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