2012年05月24日 10時32分更新
先週、PL保険の話題について述べた所、コンビニのビニール袋を改めてみてビックリしましたという反響を沢山いただきましたので、今週もPL(製造物責任)の警告文について述べてみたいと思います。
ちなみに、コンビニのビニール袋には、ビニール袋を頭に被ったら窒息する恐れがあるので被らないようにという警告の他に、印刷してある警告文そのものがズボンに付着する恐れがあるので気をつけて持ち運びして下さいといった表記まであります。あらゆる事故を想定して警告をすることで製造業者、販売業者としてのPL責任を逃れようとしているものです。
身近なものには必ずこうした警告文が製造物の袋等に印字してありますので、色々なものを買って良―く見てみて下さい。
例えば、紙パックの牛乳のパックを見てみましょう。
紙パックの角を持たないとストローから牛乳が逆流して服を汚す恐れがありますと警告しています。
缶チューハイには、「これはお酒です!」と警告してありますよね。これはジュースと間違って飲んでしまって、お酒が飲めない方がもしかしてショック死されることでもあるかもしれないと想定して警告がしてあります訳です。しかも缶の上蓋を良く見ると、何やら上蓋に突起物があることが容易に発見できます。そうです。これは目がご不自由な方が間違って購入されないように「点字」で「これはお酒です」と警告をしているものなのです。ここまでやるかという感じですが、ここまでやることがPL対策なのです。
男性の方は、今お履きの皮靴を脱いで靴の内側にシールがあるか確認してみましょう。ありましたか?シールに何と書いてありますか?「色落ちする可能性があるので色の薄い靴下だと色が移りますよ」という警告文が書いてあるはずです。しかも、毎日履く靴です。シールが剥げ落ちたりしていると警告になりませんよね。また湿気が本来ある靴の中ですので湿気でシールの表示が褪せて見えなかったということでは警告になりませんよね。でも大丈夫。こうしたことを想定した上で、湿気に強く耐久性のあるシールが靴中に貼ってあるのです。
警告文ではありませんが、例えば、電動のこぎりを販売する業者が「軽い」ということを表現しようとしてパンフレットに電動のこぎりを持った女の子を掲載していたことがあります。本当にあった話ですが、直ちにこのパンフレットを全国から回収して女の子の掲載をやめていただきました。だって、パンフレットに掲載してあるくらいだから、女の子にだって電動のこぎりが扱えると思わせるじゃないですか。これで女の子が実際に電動のこぎりでケガをしたら。。。。完全に製造業者のPL責任となりますよ。
PL対策って凄いですよね。
最近、イオンさんのCM見ていると、PB商品の製造者欄には全て「イオン」が表示されていて、何かあったらイオンが100%責任を負いますので、安心して購入下さいと逆手にとって自社商品の購入促進をし始めた所もあります。
十分なPL対策を講じているからの自信だと思いますね。
あなたが製造している「もの」、販売している「もの」全てはPLの対象物となります。
PL対策は十分ですか。PL対策の分かる保険代理店と付き合わないといけませんよ。保険料だけの問題ではないことを理解していますか。
次の記事