2012年05月29日 10時11分更新
PL保険の反響が良いので、頭に乗って今週もPLで行きたいと思います。
今回は、構造上・製造上の「欠陥」について述べたいと思います。
構造上・製造上の欠陥とは「製造物」を作る際に、そもそも設計的に事故を生じさせる要因があったとか、製造するライン上で事故を生じさせる要因が生じたというものになります。
有名なものでは「電気ポット」があります。
電気ポットでお湯を沸かしていて、電気コードに引っ掛かり、電気ポットが転倒したらどうなるでしょうか。電気ポット内のお湯がこぼれ出て来て体にかかると火傷をしてしまいますよね。電気ポットを沸かしていて、赤ちゃんがハイハイして来て電気コードに引っ掛かったら万が一の場合、命の危機に瀕します。
これは、完全な「構造上の欠陥」にあたります。万が一、事故が生じた場合はメーカー責任となります。
従って、家電メーカーは対策を考え、現在販売されている電気ポットのコードの根本は「磁石」になりました。引っ掛かっても、コード自体が抜けて電気ポット自体は転倒しない構造に変更したためですね。
凄いですよね。PLが製造物自体の設計・構造から変えさせるのです。
これが企業におけるPL対策です。
PL法という「法律」(ちゃんと日本の国内法ですよ!)に基づいて、製造者は自身が製造した「モノ」については無過失責任を負わされているのです。無過失責任というのは製造者が事故と製造物との間に因果関係が無かったことを証明できない限り製造者が責任を負うという厳しいものです。
製造「物」は、自動車、家電といったものだけでなく食品も当然含まれます。
先週イオンが自社PB商品に製造者としてイオンを表記して「安全性」誇示していてビックリしたと述べましたが、イオンと表示することで無過失責任を負うので大丈夫と高らかに宣言した訳です。PL対策は万全だと宣言したと同じですので、凄い企業だなーと驚いたものです。
商品でのPL事故というのは、一番多いのは「異物」が入っていて、口の中が切れてケガをしたとか、食べた結果、酷い下痢が続き入院したといったケースがあります。食材の管理から加工中の管理、パッケージの警告文章の表記、万が一PL事故が発生した際の完璧・迅速なPL対策等々全てが揃わないと出来ないことです。
ちなみに食事を作っている飲食店も当然PLの対象となります。吉野家の牛丼は「製造物」となり、PLのド真中対象となります。中華料理、居酒屋、イタリアンレストラン等々全てがPL対象となりますが、PL対策十分取られていますか?
甘く考えていては最悪「廃業」に繋がりますよ。こういった事例って最近でもありましたよね。せめてPL保険だけは加入して万が一の場合、ある程度の補償が出来るようにしておく必要があると思います!
PL保険は自動車でいう「自賠責保険」と同じです。製造業者は「PL保険」必須です!あなたは大丈夫ですか?
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ネクタイ派手夫 02月12日10時21分