2011年12月01日 20時01分更新
注射の好きな人はいませんよね。針が皮膚を突き抜けると痛いですからね。よくお母さんがいうことを聞かない子供に「先生に注射をしてもらうよ」といって叱っていることがありますね。これも注射は痛いという経験が子供にあるから効果があるのでしょうか。
生命保険のキャンペーン月には血液検査をよくしましたが、診査医泣かせの被保険者は、血管の細い人、肥満の人、刺青のある人です。血管が細ければ注射針が入りにくいですが、肥満な人では血管が深く沈んでいることが多く、採血のための血管を捜すのが大変です。しかも外から見えないので指先の感覚だけで血管の太さと深さを推測して針を刺します。もっと見えないのが刺青の入った腕です。内出血を起こして腫れたらどうしようと冷や汗かきながら採血をしてました。最近の若者のファッションタトゥーならいいのですが、背中や肩から前腕まで上半身刺青のあるお客さまもいましたから。
ところで注射だけだと手術給付金の対象とならないことはご存知でしょうか。というのも普通保険約款が規定する手術の定義は、「治療を直接の目的として、器具を用い、生体に切断、摘除などの操作を加えることをいい、手術番号1~88番に定めるものをいいます。吸引、穿刺などの処置および神経ブロックは除きます」となっているからです。
注射針を刺すのは定義の穿刺などに該当しているようですね。ペインクリニック科で行われる神経ブロックも注射ですから当然手術に該当しません。その他に痔核の手術として行われるジオン注射(硬化療法・四段階注射法)があります。この手術は痔核を切り取るものではなく、痔核に注射をして薬を注入するものです。
ところがファイバースコープを用いて注射する食道静脈瘤硬化術(内視鏡的静脈瘤硬化療法)は、手術給付金の支払対象です。器具を用いた注射ということで該当しているのでしょう。この手術を受けるということは、肝硬変が進行している証左ですから重病状態ということには変わりありませんが。
もしかすると手術支援ロボット・ダ・ヴィンチを使って注射したら、これは手術給付金の対象となるのでしょうか。