2012年06月04日 17時01分更新
レディー・ガガのインドネシア講演が中止となったとの報道が流れました。
肌を露出した衣装や歌詞が一部イスラム強硬派から問題視され、結果「ファンの安全に対する脅迫があり観客にケガをして欲しくない」と考え、中止すると発表されたものです。で、販売された5万枚のチケットは払い戻しになることに・・・。お国柄とは言え宗教が絡むと難しい問題ですね。
こうしたニュースを見て、損保マンであるDr.ウエノは「興行中止保険」が、ふと頭をよぎってしまいました。
皆さんは「興行中止保険」って、ご存知ですか?
興行中止保険とは、悪天候や出演を予定していた出演者のケガによる不出演などの偶然な事故により、開催を予定していた興行が中止になり、結果、興行を開催するために支出した費用を補償するという保険なんですよ。
具体的には、会場賃貸料、会場設営費、運営委託料、機材レンタル費、広告宣伝費、パンフレット・チケット印刷費、アルバイト人件費、弁当代、出演料、交通費、警備費等が保険金支払い対象の「費用」となります。
保険の対象となる「興行」とは、スポーツ大会、コンサート、展覧会、パレード、お祭り、式典及びこれらに類似する興行を言い、イベント性の無い遊園地や海の家や通常も行われているスーパーの特売やディーラーの新車発表会、学習塾の夏期講習などは対象となりません。
保険金支払い対象の「事故」には、心因性の神経症、女性特有の妊娠・出産等が要因の場合、また「気まぐれ」による中止は含まれません。
但し、反道徳的な行為により社会的に非難され出演者が芸能活動を自粛することになったため中止になったような場合は対象となります。
なかなか細かいところまで約款で定めてあって面白い保険ですよね。
この他にも、保険金支払い対象外の事故として、政治経済の混乱による中止も約款上明記されています。具体的には、政変・国家的服喪・国交断絶・経済恐慌・外国為替市場の混乱・物価高騰等による中止を言います。
今回のレディー・ガガの講演中止は、この免責条項にあたらないまでも、残念ながら万が一こうした保険に加入されていたとしても保険金支払いの対象とはならないでしょうね。
こんな観点から色々なニュースを見て行くと面白いでしょ。
そうすると、ニュースと保険の関連性が生まれ、話題が豊富となり、損害保険も身近に感じられるというもの!
損保で言う「リスク」はあらゆる所に潜んでいます。
皆さんもニュースを見たら、こんな観点で保険を強引に結び付けてみて下さい!
「森を見て木も見る」「木を見て森も見る」。
こうした「モノの考え方」が「保険」の考え方の基本となります。是非体得して下さい!
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