2015年02月05日 11時31分更新
「金融ビックバン」と言って分かる方も少なくなってきたように思います。
「金融ビッグバン」は、1996(平成8)年11月に第2次橋本内閣が提唱した、金融制度改革のことをいいます。英国のビッグバンと区別する意味で、日本版ビッグバンとも呼ばれていて、金融市場の規制を緩和・撤廃して、金融市場の活性化や証券業界の国際化をはかろうというものです。
具体的にはこんなことが実施されました。
◆外為法の改正
外為法を改正して、一般企業でも外貨を自由に取引できるように、外国為替業務の自由化をはかり、個人でも外貨預金が自由に持てるようになりました。
◆銀行と証券、生保と損保の業務の相互参入
銀行業務と証券業務の垣根を取り払う規制緩和が進められ、持ち株会社を通して、銀行は証券業務に、証券会社は銀行業務に参入できるようになりはじめました。
一方、保険業界でも、生命保険と損害保険の業務相互乗り入れが本格的に始まりました。
◆間接金融から直接金融へ
企業の資金調達方法が、銀行借入れから、株式や社債の発行による方法に変わり、個人の貯蓄方法も、預金から投資信託や株式などの商品に移り始めました。
こうした中、御用船団で守られていた保険業界は1998(平成10)年7月には「保険料の料率が自由化」されました。
保険会社毎にリスクを判断して自社での保険料を算出するというもので初めてレーティン癖競争=価格競争が始まりました。旧財閥系でこの会社はこの保険会社という流れも、このタイミングでかなり変わり、これまででは絶対に声すらかからなかった大企業からも相見積もりの依頼が多くあったことを思い出します。
「リスクをきちんと判断して保険料を算出する」っていう行為は保険会社からして当たり前のことですよね。力がある保険会社は安い保険料を提案出来、レーティング力の強い保険会社は次から次へと他社からの契約切り替えをしていた時代でもあります。一方、守るサイドですと他社からのレーティング競争に勝つために無理な位の保険料価格を提示し、奪取されるよりはましといった感じで自分で自分の首を絞めるような価格競争の中に取り込まれた時期でもありました。
懐かしいですね。
保険料自由化から17年!!
損保業界は合併に次ぐ合併で大手三社で80%以上の寡占状態と維持し、価格競争では負けない体力を有するようになりました。
でも、まだまだ自由化の恩恵にあやかっていない業種・業態もあるようです。先般、ある業種の火災保険の見積もり依頼があり、単に複数社の保険会社をご紹介しただけですが、従来の保険料570万円をはるかに下回る370万円だったり300万円だったりとの保険料がドンドン提示されてきました。無理にリスク判断をしている訳ではなく通常通り機械見積もりを作成したらこんなにも違う保険料が算出されるのです。
何度も言いますが、保険料自由化から17年。恩恵を受けているのは一部大手会社のみのような気がします。
もう一度、保険料「相見積もり」を取ってみては如何ですか?
もしかすると今の保険料の半分とかの驚きの保険料がスッと提示されるかもしれませんよ。
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