2012年01月30日 23時01分更新
先日、インターネット上に【オリンパスに人権侵害で「警告」】というニュースが出ておりました。
ロイター通信のホームページの記事はコチラを参照下さい。
記事の内容としては、オリンパス社内の内部告発窓口を利用した男性社員を不当に配置転換させた事はパワーハラスメントにあたる「人権侵害」だとして、状況を改善するようにと東京弁護士会が警告を発したとの事です。
現時点では、法的拘束力がない「警告」で終わっていますが、状況が改善されない場合には男性従業員が実際にオリンパスを訴えるかもしれません。
以前は労使問題と言えば、会社と従業員で話し合って解決してきたケースが多かったのですが、ここ最近では労働基準監督署へ従業員が相談するケースが増えています。
厚生労働省が発表した、平成20年度個別労働紛争解決制度施行状況によりますと、1年間で相談された件数が約108万件という驚くべき件数になっています。
その中でも相談内容として多いのが次の3つになります。
・解雇に関するもの 25.0%
・労働条件引き下げに関するもの 13.1%
・いじめ、嫌がらせに関するもの 12.0%
ちなみに日本における総事業所数は約600万と言われていますから、実に6社に1社で労働相談が行われているというのが現状になります。
■厚生労働省ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/05/h0522-4.html
では、こういう労使問題で会社が訴えられた際に支払対象となる保険はあるのでしょうか?
この場合、適用になると思われる商品が「雇用慣行賠償責任保険」という保険です。
この保険は、セクハラやパワハラ・不当解雇などにより被害を受けた従業員が会社を訴えた際に負担する損害賠償金や慰謝料・弁護士費用などを補償する保険です。
雇用慣行賠償責任保険という保険商品単品でも取扱っていますが、特に国内損保では新規契約の取扱をしていないケースもありますので、加入の際には外資系損保を中心に検討すると良いでしょう。
あとは、一部国内損保でも賠償責任保険の特約として「雇用慣行賠償責任特約」を発売している保険会社もありますので、そういう特約を活用するのも方法の一つです。
最近では、従業員の退職金に関するトラブルも良く耳にします。先ほどの上位3つの相談内容のうち、第2位が「労働条件引き下げに関するもの」でした。
この中に退職金の引き下げや不払いなども含まれていると思われます。退職金問題については適格退職年金制度の廃止とも合わせて非常に重要なテーマの一つになります。
保険営業パーソンにとっては賠償責任並びに退職金問題と、労使問題は非常に保険提案につながりやすいテーマだけに、この種類のニュースには常にアンテナを張っておきたいモノです。。。
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