2017年11月30日 18時51分更新
平成28事務年度 金融レポートの中で、「一般乗合代理店に対するインセンティブ報酬等のあり方について」こう記されています。
『募集手数料については、乗合代理店の販売量の多寡に応じて決まるところが多く、必ずしも、乗合代理店における丁寧な顧客対応やアフターフォローなどの役務やサービスの「質」を的確に反映したものになっていないことが把握された。』
『インセンティブ報酬については、役務やサービスに照らした対価性に乏しく、「質」に問題があると考えられるものが認められ、また、金額水準(量)の高度化も進んでいる。インセンティブ報酬等も原資は保険契約者から預かった保険料であることを踏まえると、「質」・「量」ともに、顧客にきちんと説明できる合理的なものとしていくことが重要である。』
要するに、手数料以外のインセンティブ報酬等が現状は多く保険商品を販売している代理店に支払われているが、こうした「取扱いの量」ではなく「顧客サービスの質」に対して支払われるべき的なことが書かれていると考えます。
「顧客サービスの質」と言われても、難しいですね。
「おもてなし」は「サービス業の根っ子」であり、これを「質」と呼ばれてもどうかと思います。
それでは「質」を「どう表現するか」、「見える化させる」のでしょうか。
一つは、保険募集人の資格保持のために常に勉強させることが必要かと思います。
例えば、日本公認会計士協会では、資格保持のために色々なジャンルの勉強を義務付けていて、1年間で40単位、3年間で120単位を取得しないと罰則規定があります。「身内」の研修は単位数が少なく外部研修を受けるよう指導されています。常に最新情報を習得していれば、顧客に対するサービスの質は高いと評価されると思います。
各保険会社で独自の単位制を導入して、一定の単位数を達成できれば「顧客サービスの質の高い代理店」と評し、インセンティブ報酬等を支払う形にすれば金融庁の指摘事項をクリアできるのではないかと考えます。
保険代理店業界で幾つかある団体に所属していることも「見える化」の一つにならないでしょうか。会費を負担し定期的な団体主催の勉強会に参加していて、お客様に役立つアイテムを毎回取得している保険代理店は、その志を考量しても、他の代理店よりは質が高い代理店と言えるのではないでしょうか。保険会社個社単位で幾つかの団体を「認定」し、「認定団体」と共に、顧客サービスの「質」の向上を図って行けば、メーカー目線でなく、顧客目線でのサービス向上に繋がると考えます。
一般社団法人保険健全化推進機構結心会を「認定」いただる保険会社はいらっしゃいませんかね。
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