2017年11月30日 18時49分更新
「みずほフィナンシャルグループ(FG)は今後10年かけ、全国のおよそ半数にあたる約400拠点(支店・出張所)を法人営業や個人向けなど機能を絞った小型店に切り替える検討に入った」と報道されました。
事務人員の大幅な削減と業務の効率化が狙いで、「すべての拠点」で「あらゆる金融サービスを取りそろえる」「全国一律サービス」から事実上撤退することになります。
みずほFGは2026年度までに1.9万人の業務量を減らす計画で、支店網の抜本的な見直しを柱にスリム化を進めます。
具体的には、全国を120地域に分け、中核店(ハブ店舗)と小型・軽量化した店舗(スポーク店舗)に再編、地域に中核店を1つは置いて周辺部に小型店を配置するそうです。
地域の需要に合わせ扱う業務は、例えば、個人客の来店が多い支店は投資信託の販売などに特化し、法人業務を中核店に集約するなど絞って行く方針が発表されています。中核店は全国で300弱となる見込みで、法人融資や住宅ローンなど全ての銀行業務に加え、みずほFG傘下の信託銀行や証券との共同店舗化を進めるとのことです。
「全国各地」に「あらゆる金融サービス」を提供するサービスからの撤退は、金融庁の銀行に対する方針にも寄ります。『用事があったら15時までに来なさい。』、『担保がないとお金を貸さない。』等といった銀行の姿勢を金融庁は非難しており、地銀に至っては明確なビジネスモデルを構築できないものは退場とまで言われています。こうした中、銀行本体で扱い辛くなったカードローンを子会社である保険代理店会社に卸して取り扱わさせ、閉鎖する銀行の支店を保険ショップ化する展開も進んでいます。人も本体銀行から子会社保険代理店にシフトして人員削減にも繋げています。
「当たり前が当たり前でない」時代が始まっています。
変な成功体験に頼っていては何もできません。むしろ、成功体験は捨てなければなりません。「常識は非常識」ということを念頭に、チャレンジとトライ&エラーを如何に繰り返せるかがポイントだと考えます。
12年前、保険ショップを全国展開する際に、全国各地の当時の生命保険大型代理店に声を掛けましたが、「保険ショップなんて成功するはずがない」といって断られました。その際に飛び込んで取り組んでいただいた当時中小零細の代理店は今では生保大型代理店へと変貌しました。そして、変貌した多くの代理店は成功体験から動きが鈍くなっています。
もう一度、保険代理店を再編成する動きが出ています。新しい一般社団法人を作って全国各地の保険代理店をネットワーク化しようとする動き、大手資本をバックに統廃合を一挙に推進しようとする動き等が顕著になっています。
もう一度「当たり前は当たり前でない」ことを肝に銘じて、チャレンジ精神を復活させていきましょう。そうしないと、銀行のように「小さくなるしか手がなくなります」よ。
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