2016年09月15日 18時57分更新
第一生命社が、大手電機メーカーの日立製作所と連携して、AI=人工知能で将来の健康状態を予測し、保険に加入できる人の幅を広げるなど、最先端のIT技術を活用した新たな保険商品やサービスの開発を目指すと報道されました。
発表によりますと、第一生命はこれまでの1000万人を超える契約者が加入時に提出した健康診断の結果や、その後の病歴などのデータを、日立製作所が持つAI=人工知能の技術で解析し、健康診断の結果から将来、発症する病気やその重症度をより正確に予測できるシステムの開発を目指すというもの。
これによって、現在は持病が理由で生命保険や医療保険の契約ができない人も加入できるようにしたり、新たな保険商品の開発につなげたりしたいとしています。
生命保険業界では住友生命も通信大手のソフトバンクと提携して、契約者の健康状態や運動への取り組みに応じて保険料を割り引く保険商品の開発を進めていて、最先端のIT技術を活用して新たな保険商品やサービスの開発を目指す動きが広がりはじめています。
AIの可能性は凄いですよね。
因みに、皆さんは「ワトソン君」をご存知でしょうか。
IBMが開発を続ける最新鋭のコンピュータですが、飛躍的な進化を遂げ、今では「がん解明」に挑むようになっています。
例えば、仮にあなたが大腸がんにかかり、手術をうけることになったとしましょう。手術の術式は幾つかあるそうですが、あなたが受ける術式は、手術を受ける病院が所属する大学系列が採用している術式によるそうです。しかし、その術式があなたの症例に最適かどうかはあまり考慮されていないのか実態だそうです。
がん関連の論文は1年間に世界中で20万本程が発表されており、そのすべてに1人のドクターが目を通すことは、不可能!
しかし、ワトソン君なら、そんな人間離れした作業をこなすことができ、医師が伝える症状に対して、最適な治療法を見つけ出すことが可能になりますよね。
医療の未来を変えるAIの可能性は、保険業界にとっても全く新しい波になると考えます。
AIが進んで保険料に寄与したりする事は良いですが、一方で、野村総研が10~20年後に国内労働人口の49%にあたる職業について、AIやロボットで代替される可能性が高いという推計を発表していますが、この無くなる仕事に「銀行窓口係」と「保険事務員」があります。まあ、仕方ないところでしょうか。
そう遠くない将来には、AIが完璧に保険相談できるようになると思います。保険募集人そのものがAIに取って代われる日も遠くないと思います。ワトソン君を遥かに凌駕する「おもてなし」で勝負するしか手はないでしょうか?
前の記事
次の記事