2016年04月13日 18時16分更新
新年度を迎えて各保険会社の社長が「今年度を語る」といった記事も多く出ていて興味深いですね。そんな記事の中から幾つか紹介したいと思います。
まずは東京海上ホールディングス。2015年12月に年に一度開催されるCEO会議のことが掲載されていました。同社の世界戦略の方向性を決める重要会議ですが、何と円卓を囲む約30人のうち半分以上が外国籍の経営幹部で当たり前のように英語が飛び交っていたとのこと。昨年は米テキサス州ヒューストンの米保険会社HCCインシュアランス・ホールディングスを9200億円で買収、約10年間で総額1.5兆円以上のM&Aを手がけました。
日本の損害保険業界全体の正味収入保険料は2014年度で約8兆800億円。このうち5割程度を占めるのが主力の自動車保険ですが、人口減少による自動車販売台数の頭打ちや若者の車離れによる影響は不可避。自動車保険に次ぐ収益源となっている火災保険も将来的に住宅件数の減少が予想されるなど厳しいなど国内で従来型の損保営業の殻に閉じこもっていては、じり貧は見えています。活路は当然「海外」となる訳です。10年間にわたる大型M&Aの結果、2015年3月期の純利益2474億円の約半分を海外が占め、ライバルであるMS&ADインシュアランスグループホールディングスの同期純利益1362億円、損保ジャパン日本興亜ホールディングスの同期純利益542億円と大差をつけた主因となりました。
世界の保険業界ではM&Aは日常茶飯事。東京海上は常に数十社の海外保険会社を買収候補としてリストアップし毎月の様に検討を繰り返しているとのこと。
一方、国内に目を向ければ「生損保一体」経営でしょうか。4月から東京海上日動社の社長は、前職があんしん生命の社長で、損保と生保の商品やサービスを垣根なく提供する独自のビジネスモデル強化に乗り出します。昔、昔、石炭から石油に代わったように損保から生保主体に代わるのでしょうか。
損保ジャパン日本興亜は従来の保険業中心のビジネスから安全・安心・健康のサービス産業へとビジネス領域を変えることに取り始めています。介護事業を始め、住宅のリフォームなどグループ会社を通じて総合的なサービスを展開していくと社長が明言されていました。
あいおいニッセイ同和損保は昨年最先端のテレマティクス技術を持った英BIG社を買収し、事故を削減し、更に実走距離や運動挙動に連動したテレマティクス自動車保険への展開を模索しようとしています。また地域活性化のコーディネーターとして役割を果たそうとしています。
各保険会社色々な取組を模索していますね。
この舵の取り方一つで、大手保険会社でも消滅する可能性があるのが今の保険業界です。
舵取りを間違えなく進んで行って欲しいものですね。
こうした激動の時代は「動く」ことが必要です。「動かず静観している企業」に将来はありません。
保険代理店の皆様も今年は「動く」覚悟を決めて一年間取り組んで行きましょう!
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