2016年04月22日 17時59分更新
トヨタ自動車とあいおいニッセイ同和損害保険は2016年4月に米国で共同出資の保険会社を設立、来年中にも自動車に載せたセンサーで集めた膨大な運転データを保険料に反映する新型の自動車保険を開発すると発表しました。
「トヨタも保険」、しかも保険会社設立という従来にない取組で、しかも日本市場でなく海外市場でスタートというのが、流石トヨタという感じですね。「良く分かっている!」の一言です。
世界の保険大手はビッグデータを生かした保険商品の開発を進めており、新会社も「テレマティクス保険」と呼ばれる新型保険の開発を目指すとのこと。
・自動車にセンサーを取り付け、ブレーキやアクセルの踏み方などの運転情報を蓄積。
・データから運転手が交通事故を起こすリスクを分析し、一人ひとりの保険料に反映させる。たとえば走行距離が短く、急ブレーキや急発進が少ないと事故を起こす可能性が低いと判断され、翌年の保険料が安くなる。
こんな保険が出来たら運転者にマッチした保険料提案が出来ますよね。
ドイツではクラッシック音楽を聞く人は保険料が安いといった割引を適用していると聞いたことがありますが、こんなことまで出来ると保険が身近に感じられて良いですよね。
新会社の出資比率は、あいおいニッセイ同和が50%、トヨタの金融子会社トヨタファイナンシャルサービスが45%、トヨタ本体が5%で、トヨタがビッグデータの活用などで提携関係にある米マイクロソフトも人材を送り、データ解析などで協力する見通しで、来年5月をめどに事業を本格化し、数年内に商品化するそうです。
新会社は米国の保険会社にモデルとなる保険商品と運転データを使った保険料の算出方法のノウハウを提供することで、手数料として保険料の8%程度を受け取るビジネスモデルを構築するようです。2020年に契約数約45万件、5500万ドル(約60億円)程度の保険料収入の獲得をめざすと具体的数値目標も出来上がっています。
米国の保険会社は契約者が申告した年齢や過去の事故歴、保有する車種などから保険料をはじき出すため、事故を起こすリスクが高いとされる若年層は保険料が上がりやすいとされていますが、今回の保険の枠組みなら安全運転の実績があれば若くても割安な保険料を設定できる可能性があります。米国ではテレマティクス保険の普及が始まっており、2017年には2600万件弱まで増えるとの予測もあるそうです。
「auのほけん」が保険業界に一石を投じる中、トヨタの保険会社設立は新型保険が将来、逆輸入され、恐らく現在の保険会社数社は消滅するという三石くらいの衝撃を業界に与えたと思います。
この流れだと、もっと凄い、衝撃的な事が発表される感じがするのはDr.ウエノだけでしょうか。
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