2018年04月12日 18時38分更新
楽天が「ペット保険事業に参入」と報道されました。
3月内にもペット保険を手掛ける「もっとぎゅっと少額短期保険会社」を買収し、今春から楽天の電子商取引(EC)サイトで取り扱いを始めるとのこと。
楽天は今年に入り「朝日火災」社を買収し損害保険事業への参入も決めていますので、ペット保険を加えることで損害保険分野に本腰を入れて取り組む感じですが、そんなに簡単ではないと思います。
楽天は生命保険事業へも参入しましたが、元々の根っ子が知る人ぞ知るエキスパートアライアンスなので、なかなか展開は難しいと思いますよね。その後、法人生命保険販売の出来るアンセルインシュアランス保険代理店を買収し、ここを使って、楽天仮想市場に出店の企業の法人生保を取りに行こうとしましたが、これも上手くいっていると聞いていません。
B to B ビジネスは、特に法人生命保険は簡単ではないので、ここにターゲットを絞ること自体、無理ですよね。となれば、B to C 。楽天が、B to C で保険募集するのであれば、何と言っても、強みである約9500万人の顧客情報や購買履歴を活かす必要があると思います。
今回のペット保険は、楽天が提供するネット通販サイト「楽天市場」で年間数百万人がペットフードやペット用品などを購入している顧客を対象に今春にもペットの飼い主向けの専用サイトを立ち上げ、このサイト内でペット保険も紹介すれば一定量は成約できるとは思います。
昔から、ペットを持つ方の数パーセントしかペット保険に加入していないので、ブルーオーシャンだと仰る方が多いですが、決してそうではないと思います。
昔、保険ショップ約200店舗一斉でペット保険販売を集中して行ったことがありますが、ペットに保険を加入するという概念は、実際にお会いした数百人のお客様のお話やアンケート等から、全く存在しないことを知り、愕然とした記憶があり、その以降、ペット保険は全く売れる自信がなくなりました。
ネット通販自動車保険のように20年経ってもわずか8%のシェアしか取れないと同じように、ペット保険が今後伸びる気は全くしません。
メーカーはもっと直接お客様の声を聴かないとダメだと思いますね。
保険ショップやっていると直接お客様の声を聴けることが最大の利点で、結果、方向軸を見誤る可能性は低かったです。
いつもお客様に色々なことを教えていただいたという思いがあります。
メーカーが机上であるべき論的考え方で商品開発を繰り広げていますが、顧客との乖離が埋められなければ、そのうち、顧客から見捨てられるメーカーも出てくると思っています。
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