2016年04月07日 18時40分更新
明治安田生命保険が「人の遺伝子の情報を保険サービスに活用する検討に入る」というニュースが毎日新聞に掲載されました。
遺伝子検査は数年前から一般でも活用されていて、Dr.ウエノが主催している一般社団法人保険健全化推進機構結心会でも何度か取り上げ、実際に「遺伝子検査によるがん予測」や「遺伝子検査を活用した婚活」のキット販売も支援して来ましたが、保険に直接活用と言うニュースには驚いてしまいました。
顧客の同意を得て遺伝子情報を分析すれば、特定の病気の発症リスクを一定程度予測出来るため、分析結果をもとに健康管理や生活習慣の改善方法などをアドバイスし、病気にかかるリスクを減らすサービスなどが想定されます。
当然、発症リスクが軽減出来れば保険料を安くできますよね。
健康な人が増えて保険金の支払いが減れば保険会社の収益改善にも貢献し、集めた保険料の運用に頼らない「本来の純保険料部分で収益が上がる構造」を構築することが出来ると考えますね。
一方、病気になり易い遺伝子を持っていることが分かれば保険料を高く設定したり、保険加入そのものを断ったりすることも可能になります。そうなれば遺伝子情報を材料として顧客を差別することになり倫理的な問題も生じるとされています。
アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーは遺伝子検査で乳がんの可能性が高いという結果を受けて両乳房切除をしましたが、がんで早くして死にたくないという願望がこうした行動を引き起こさせています。
明治安田生命保険は専門家も交えて慎重に検討するとしていますが、遺伝子研究は進化し続けており、病気のリスクの予測は保険ビジネスの根幹に直結しますので避けては通れないところだと考えます。
今回の取組は保険業界に一石を投じた点でも意義がある展開だと思います。
最近は「フィナンシャル・テクノロジー」に絡めて「インシュアランス・テクノロジー」の話題も多く出るようになりました。
保険会社も一歩進もうと模索している証拠です。
我々保険代理店も保険会社の進む方向に向かって今から「予防医療」等に積極的に取り組んで行きましょうー。
予防医療について詳しく知りたいという方は4月26日~27日に東京都多摩市で開催されます「結心会定例会」に是非ご参加下さい。今回のテーマは「予防医療特集」となっています。是非ご参加下さーい!
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