2019年01月31日 17時59分更新
オリックス銀行が、山口フィナンシャルグループと傘下3行へ商品を提供することで合意したことが報じられました。
その商品というのが「遺言代行信託」で、死亡すると故人の預金口座は親族でも引き出しに手間がかかりますが、こうした相続時に発生する面倒さを解消する商品として人気が出ているものです。この報道を受け、遺言代行信託について少し勉強してみましょう。
“遺言”と同様の機能(資産の承継先の指定等)を持たせつつも、「契約」により信託を設定する仕組みを「遺言代用信託」といいます。文字通り“遺言に代わって用いられる信託”というスキームです。
委託者が生存中の当初は、自らを受益者として信託契約の効力を発生させた上で、委託者が死亡した時に、指定した者(特定の相続人や第三者)に、信託の受益権を承継させる仕組みです。
遺言代用信託は、信託受益権の承継先に、高齢・障がい・病弱・身体不自由・判断能力低下等により自ら財産管理できない親族(配偶者や子、孫)等を指定することで、その方の生活・扶養・介護・療養等のための財産管理の仕組み(=“福祉型信託”)として、成年後見制度と併用したり成年後見制度に代わり利用することで非常に有効に活用できます。
また、何世代にもわたる資産承継や複雑な親族関係における資産承継の道筋を設計できるという“後継ぎ遺贈型受益者連続信託”(信託法第91条)も、遺言信託と同様に設定可能です。
なお、遺言代用信託は、遺言信託と違い(遺言信託は委託者の死亡時に効力が発生する)、信託契約締結の時より効力が発生します(このため“生前信託”とも呼ばれています)。
また、委託者死亡後の受益者は、信託契約に別段の定めがない限り、委託者が死亡するまでは、受益者としての権利及び義務は一切有しないこととなります。
メリットとしては次の点が挙げられます。
(1)相続人が早くお金をおろせる
お金を相続人が引き出そうとしても、その時には預金が凍結され引き出せなくなるケースがあります。それは、口座の名義人が死亡したと知った銀行が一部の相続人だけが勝手に引き出せないようにするため、一時的に口座を凍結するためです。遺言代用信託であらかじめ相続人を指定していれば、相続人はすぐにお金を受け取ることができます。
(2)スムーズな終活
自分の死後に相続のことで兄弟家族に迷惑をかけたくありませんよね。あらかじめ遺言代用信託でお金の受け取りを明確化しておくことによって、不要なトラブルが発生しません。死後の準備を万全にすることで、安心して毎日の生活を送ることができます。
(3)元本保証で手数料無料
遺言代用信託では、あらかじめ資産の一部を受け取ることができるように相続人に口座を指定することができます。その口座に、最低200万円を預け入れればよく、管理手数料は無料です。また、万が一の際にも元本保証されるので安心です。
(4)年金のように毎月受け取ることができる
遺言代用信託では、依頼者があらかじめ資産の受け取り方法を指定することができます。そのため、一度にお金をあげたら一気に使ってしまうかもしれない、というように相続人のお金の使い方が心配な場合は、毎月お金を受け取るように指定することが可能です。
こうしたニュースをもとに、お客様に役立つ情報を常に発信することで保険代理店の存在価値が生まれて来ます。ボーっとしててはダメですよ。
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