2018年07月05日 18時17分更新
「処分庁」として機能していた金融庁が従来「柱」として取組んで来た金融機関の経営を細かく点検する際の手引書「検査マニュアル」が、事務年度が7月で変わり廃止となります。
過去20年にわたって行われてきた「画一的な検査」が改められ、金融機関ごとに「異なる経営課題を、対話を通じて洗い出し、自主的な改善策を打ち出す」よう求められることになります。
検査マニュアルは1999年、バブル崩壊後に多くの銀行が多額の不良債権を抱えたことを受け、貸出資産やリスクを厳しくチェックするために導入されました。
小職も保険会社にいた際2度ほど金融庁検査を体験しましたが、長い期間入検され、その間、仕事は出来ず、入検後も指摘事項の報告と改善で相当の時間を要しました。
苛烈な検査は不良債権処理に役立った一方、銀行に「検査マニュアルに従えばいい」という思考停止を生んだ弊害も生み、金融庁は「育成庁」として金融機関にオリジナなビジネスモデルを考えさせるために「検査マニュアル」の廃止を決めたものです。
今後は、法令順守やIT(情報技術)、リスク管理といった分野ごとに考え方を示し、金融機関の経営に応じ、必要な項目を重点的に点検するとしています。
検査マニュアルに沿って運営さえしていれば良かった金融機関の20年という時間は大変大きな時間だと思います。22歳で入行、入社した人は今42歳で各金融機関の主力部隊だと思います。この方たちに自主的な改善策を打ち出すようにと突然言われても無理と言わざるを得ないと思います。従って、若い方に頑張ってもらって新しい風を吹かせて貰いたいと思いますね。
保険会社は、地方自治体との提携による地方創生や健康増進型保険の開発、M&Aによる海外展開等の動きを活発化しています。東京一極集中を避け地方が独自色を持って地域住民に生き甲斐を創出させること等で地方を活性化させることや100歳まで元気で生きるための環境を作るために保険に加入することで健康を意識させるとかは全国津々浦々に展開している保険会社の使命だと思います。
そのためには、もう一度、保険代理店、募集人の声を聴かないとダメです。保険会社が机上の空論で如何に施策を組み立てても、動くのは保険会社社員ではなく代理店であり募集人になります。昔の損害保険会社は個社ごとに「カラー」があり、社員や代理店にも「カラー」がありましたが、今は何処の保険会社も同じ感じです。画一化を求める金融庁施策の弊害という感じもしますが、検査マニュアルが無くなる今こそ、保険会社個社としての「カラー」を保険代理店、募集人と一緒に考え、色付けして行こうではありませんか。
「検査マニュアル」廃止で保険会社個社のカラー復活を期待したいと思います。
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