2016年09月29日 19時20分更新
保険業界に新風を吹き込んだライフネット生命保険が壁に突き当たっています。
割安な保険料で急成長したネット生保の草分けですが、競合生保の増加で新規契約の伸び悩みに直面し、ほけんの窓口といった保険ショップで販売するなど、販路の拡大に乗り出しています。
設立10年の節目に反転攻勢の機会を目指すそうですが、対面販売の場合は当然、ネット生保とは比較にならない「保険手数料」が求められますので、これまでの割安な保険料を阻害しかねず、道は険しいとの新聞報道が以下のようにされていました。
『保険商品の収益構造を公開し、特約を省いた分かりやすさで保険業界に一石を投じたライフネット。全国に営業職員を張りつける既存の生保と異なり、人件費や広告宣伝費を抑えた合理的な保険料で子育て世代を中心に高い支持を集めた。
ところが足元で販売の伸び悩みが顕在化している。原因はネット販売に参入する生保が相次いでいることだ。
例えば、30歳の男性が10年満期の定期死亡保険(保険金1000万円)に入る場合。ライフネットの保険料が月1230円なのに対し、アクサダイレクト生命保険も1240円とほとんど同じ。オリックス生命保険(1310円)や楽天生命保険(1280円)など、割安感を売り物にする後発組が増えるにつれ、ライフネットの存在感が薄れている。
こうした背景から、新契約から解約・失効を除いた純増数は2015年度が約1万件と、ピークの11年度から8割以上減った。
失われた勢いを取り戻そうとライフネットが力を入れるのが販路の多様化だ。
「ネットでは分かりづらいので、スタッフがご説明させていただきます」。都内の保険ショップ「ほけんの窓口」では病気などで働けなくなった際に給付金が出る「就業不能保険」を勧める販売員の声が響く。
ネット販売と対極の対面販売だが、実はこの商品を全国300店以上で取り扱う。
だが販路の拡大はもろ刃の剣でもある。代理店に販売を委ねるほど、実績に応じた手数料が生じる。販売効率を示す1契約あたりの営業費は15年度で5.1万円程度に上り、11年度よりも1.5万円程度多くなった。ある外資系の証券アナリストは「強みである販売効率が薄れかねない」と警鐘を鳴らす。
ライフネットは第三者割当増資の引き受けで筆頭株主になったKDDI(au)とも4月からスマートフォンを使った保険のネット販売に乗り出した。18年度が最終年度の中期経営計画では、同年度の新契約を6万件まで伸ばす目標を立てる。手数料負担との両にらみで最適な販路割合の模索が続く。』
以上が新聞掲載記事の抜粋ですが、2年ほど前に大手保険会社も20代の保険料を大きく下げる施策を展開し、ネット生保と大手生保での保険料の差が無く、むしろ大手生保が安いという攻勢をかけられたことも要因かと考えています。
「ライフネットを有するau」での保険斡旋に対し、9月からは「ドコモ保険ショップが生命保険8社の対面募集を開始」し、圧勝を目指しているとすると凄い話ですが。。。
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