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保険募集人の体制整備に関するガイドライン改正|とれたて!損害保険|上野 直昭

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保険募集人の体制整備に関するガイドライン改正

保険募集人の体制整備に関するガイドラインが12月13日付をもって改正されました。

ポイントは、2点。

 

その一つは「短時間勤務者」です。一週間の内、数日間のみ仕事に従事している保険募集人は勤務時間が短時間ということで社保適用外となりますが、これに対し、「勤務実態を把握したうえで、適切な厚生年金等に関する諸手続きや届出を実施する必要があり、保険会社、保険代理店は自社の雇用形態が適切な保険募集に行うに十分なものとなっているか、自社の使用人に対する教育・指導・管理に要する時間や内容が十分なものになっているか検証する必要がある」としました。ガイドラインに始めて登場した「ワード」になります。数年前、「委託型使用人」についてグレーだった解釈がいきなりブラックであるという解釈に代わりましたが、今回も近い解釈をした方が良いと思います。「短時間勤務者」を抱えている保険代理店は少なくなく、保険会社にも管理責任が負わされましたので、これまでグレーだった対応が一挙にブラック対応されると考えられます。「短時間勤務者」に社保等を支払うことで保険代理店はコスト増になり、経営としては大きく圧迫されますが、仕方がないことだと思いますので、該当している代理店は少なくとも来年3月までには実態調査の上、是正されることをお薦めいたします。

 

もう一つは、特定保険商品提示・推奨理由に次の事項が追加されました。

①保険募集手数料規程等に根拠規定があっても、一定の期間中の特定商品の成果に対して、保険募集手数料に加算して受け取るもの

②保険募集手数料規程等に根拠規定があっても、一定の販売量(年換算保険料・件数)に偏重した基準を設定し、当該基準に達した場合に、保険募集手数料に加算して受け取るもの

★①、②は、所謂「キャンペーン」、「ボーナス」、「握り」等に該当します。

③保険会社による乗合代理店に対する表彰・研修において、海外だけでなく国内で実施する場合も含めて、宿泊数や研修内容、行き先等に照らして、社会通念からみて過度と考えられるもの

④「マーケティング・コスト」、「業務委託費」、「広告費」、「協賛金」、「支援金」等の名目で、役務の対価としての実態がない、または、対価性の検証が困難な金銭等を受け取るもの

⑤特定の募集関連行為従事者への委託等を推奨されている場合や特定の保険商品の販売量を供与・継続の条件として募集関連行為従事者に対する紹介料を負担するもの

 

こうした金銭等については、「保険募集に関する報酬として、乗合代理店は適切な提示・推奨理由を分かりやすく説明する必要がある」ことになります。キャンペーンでお金貰っているので、お客様にこの商品を推奨しますということを如何に説明してお客様に理解していただくのでしょうか。保険会社から資本算入されている保険代理店は説明し易いでしょうが、それ以外では難しいと考えます。結果、保険会社から支払われていた色々なインセンティブ報酬等は無くなると考えた方が良いと思います。これで、収益が大幅に減少して経営が一挙に厳しくなりますね。特に、大手保険代理店は年間の手数料の25%くらいは、インセンティブ報酬等だと思います。単純に25%収益が減少すれば、間違いなく赤字転落になると思います。

 

「量」ではなく「質」にこだわった営業体質に一挙に変えないと生き残れない時代となりましたね。

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