2013年08月16日 11時46分更新
8月6日の日本経済新聞に久しぶりに天候デリバティブに関する記事が掲載されていました。ご覧になりましたか?
その記事は『中国ナマコの保険契約』という見出しで掲載されていました。
内容は次の様なものです。
「フランスの保険大手グルパマは中国の高級食材、ナマコの養殖池が並ぶ遼寧省大連市の海岸線、瓦房省地区のナマコ協会(1500社加盟)と悪天候による損害リスクを回避する保険契約を結んだ。中国の保険会社は天候絡みの保険の経験が浅く、ノウハウを持つ外資が保険契約を獲得した。
中国では干しナマコは1キロ30万円もする高級品。
昨年は大雨で養殖池の塩分濃度が薄まり、大連の業者は約20億元(約320億円)の損害を被った。
ナマコ協会が中国の損保会社に保険設定を要請したが、各社は天候は予測不可能でリスクを計算できない」と回答。最後はグルパマが引き受けることになった。
ナマコ業者は1ムー(0.07ヘクタール)当たり年280元の保険料を支払えば、災害時に最高14倍の保険金を受け取れる。保険料は少なくとも年間1億2000万元に上るようだ。」
えっ、こんな天候リスクをカバー出来る保険ってあるの?!という感じでしょうか。
実は、日本の損保会社でもゴルフ場、スキー場等での天候リスクを回避する商品は手掛けているのです。
例えば、「冷夏」で「ウナギの売上が大幅に落ち込んだウナギ屋さんの利益の補償」とかも出来ます。冷夏で全くウナギが売れなかったという場合、例年どれくらいは売れて利益が上がるかを想定して、冷夏で落ち込んだ利益分を補うと言う保険商品です。
スキー場であれば、雪が降らないと営業できませんので、雪が降らなかった際の利益補償を、ゴルフ場の場合、逆に大雪でクローズにせざるを得なくて売上が減少しますので、これをカバーしようと言うものです。
「天候デリバティブ」と呼ばれている商品で、季節毎に保険会社が販売しています。
天候に左右される業種の方にとっては頼もしい保険だと思いますが、保険に入っているからといった営業努力を惜しまれては問題ですよね。
「天候」については保険会社が提案する「異常気象」が条件となります。
例えば、お天気保険と言う商品を販売している少額短期保険では、旅行中に二日間にわたって0.5ミリ以上の雨が日中10時間以上降り続いた場合に限って宿泊代を保険金としてお支払いするという条件になっています。
天候デリバティブは、個々にどういう場合の天候の際に保険対象となるかといった具体的な打合せをしてから保険成立となりますので、関心のある企業様は一度保険会社に照会されてみては如何でしょうか。
損害保険って結構色々なバリエーションがあって面白いでしょ!!
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