2015年06月22日 17時55分更新
金融庁パブリックコメント抜粋第三弾をお送りします。
◆情報提供義務
「保険募集の際の情報提供義務とはどのような規定なのか」に対して「情報提供義務は保険募集人が保険募集を行う際に保険契約者・被保険者が保険契約の締結又は加入の適否を判断するのに必要な情報の提供を行うことを求めるものである。具体的には(省略)①顧客が保険商品の内容を理解するために必要な情報(保険金の支払条件、保険期間、保険金額等)、②顧客に対して注意喚起すべき情報(告知義務の内容、責任開始期、契約の失効、セーフティネット等)、③その他保険契約者等に参考となるべき情報(ロードサービス等の主要な付帯サービス、直接支払いサービス等)(268)
従来、監督指針で規定していた契約概要や注意喚起情報を今回の法改定により法令上の義務として規定したものです。(271)
◆紹介契約
税理士、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランナー、インターネットサイトから
の紹介
・具体的な報酬額の水準や商品の推奨・説明の程度などから総合的に判断(209)
・業務提携契約書を提携している場合、継続的なモニタリング等を行うことも必要
相手方の選定や紹介手数料の設定にあたっては適切に行うことが求められる(210)
・報酬を受け取らずに行われる場合であっても、その実態の経済的な価値や目的等に照
らして総合的に判断すべきものと考える。(212)
◆比較サイト
「比較サイト」とは例えば、保障内容や保険料等に係る希望の条件を入力すると複数の
保険会社の商品間における、それら条件に基づいた比較内容を表示されるインターネッ
ト等を想定。(220)
・比較サイトに商品情報を掲載した上で保険会社等のサイトに遷移する仕組みを構築し
て報酬を得る行為が保険募集に該当するかは報酬の多寡や当該サイトの画面構成、具
体的な表示内容等を踏まえたうえで総合的に判断する必要があります。(224)
・比較サイトが仮に具体的な保険商品の推奨・説明を行っていない場合は基本的には保
険募集に該当しないものと考えます。(224)
◆委託先として
・委託先との間で関係諸法令を踏まえた適切な態勢整備等を確約する旨の契約を締結す
ること等に加え、その実効性を確保するため継続的なモニタリング等を行うことも必
要である。(229)
・紹介料その他の報酬(金銭等)を支払わないことのみをもって「募集関連行為を第三
者に委託し又はそれに準ずる関係」に該当しないと直ちに判断出来るものではありま
せん。(237)
・「個人契約者等からの知人・友人等の紹介」について委任又はそれに準ずる関係に基づ
いて行わせている場合には委託先管理等を行う必要がある(258)
・「既存の顧客等に対しどなたか紹介いただけませんかなどと見込み客の紹介をお願いするような場合は非該当」に対して「第三者に行わせる根拠や第三者が行う行為の内容、その行為に対する報酬の水準等を考慮した上で両者の関係性を判断する必要がある(261)
◆インセンティブ
インセンティブ報酬とは紹介者数や紹介により成約に至った保険契約の手数料等に応じ
て増加する報酬を指すものと考えます(248)
・「紹介料が成約した保険の条件等に連動しない一律かつ定額のもので高額な紹介料に該当しない場合はインセンティブ報酬に該当しないか」に対して「保険契約1件あたり定額の紹介料を支払うことは件数の増加により紹介料総額も増加することからインセンティブ報酬に該当する場合がある(245)
・社会通念上の景品程度の範囲内で現金によらず物品・金券類を提供するにトドルことは慎重な対応にあたる(247)
◆インターネットによる保険募集
「顧客が保険商品の一覧表から自由に保障内容を選択し、その選択によってその一覧表から機械的に保険商品が絞り込まれて行くという仕組みがあるならば、その絞り込み結果は顧客の意図のみが反映されたものになるので、その絞り込み表示の基準や理由等の掲示は特段必要ないか」に対して「インターネットによる保険募集も適切な比較推奨販売に係る体制を整備する必要がある」(479)
◆体制整備
「態勢整備義務が新たに保険募集人に課せられることで保険募集人にはどのような対応が求められるのか」に対して「保険募集人は業務の規模・特性に応じて保険会社に課せられている体制整備に準じた対応を行うことが必要となる。例えば(省略)①顧客への重要事項説明等保険募集の業務の適切な運営を確保するための社内規則等の策定、および保険募集人に対する同社内規則等に基づいた適正な業務運営を確保するための研修の実施、②個人情報取扱に関する社内規則の策定、③保険募集の業務(保険募集の業務に密接に関連する業務を含む)を委託する場合の当該委託業務の的確な遂行を確保するための委託先管理」(449)
( )内がパブリックコメントの番号です。
来月から新日本保険新聞主催のセミナーが全国各地で開催されます。
より具体的・実戦的な内容満載のセミナーです。
参加希望の方は、直接、新日本保険新聞社に問い合わせ下さい。
知って初めて行動できます。まずは完全に聴いて理解して行きましょう。
前の記事