|

個人情報漏洩保険の落とし穴|企業保険ワンポイントアドバイス|奥田雅也

企業保険ワンポイントアドバイス|奥田雅也

企業保険ワンポイントアドバイス

Check

個人情報漏洩保険の落とし穴

2005年に個人情報保護法が施行されてから、個人情報漏洩保険に関するニーズが非常に高まりました。

個人情報漏洩保険は、所有・管理している個人情報が漏洩した際に発生する被害者への賠償や諸費用を補償する保険です。
補償内容としては、漏洩被害者からの損害賠償に対応する補償と、漏洩事故発生に際して必要となる諸費用の補償の2つに分類されます。

この保険は、通販会社や会員組織を持つ企業など、個人情報を多数保有する企業だけでなく、Webシステムを構築するシステム開発会社など多くの企業で加入している保険です。

しかしながら、個人情報漏洩保険=個人情報が漏洩すれば適用になる、と思っていると大間違いです。
個人情報漏洩保険に関する見落としがちなポイントを解説します。

1)所有・管理・管理を委託された個人情報が漏洩しないと補償されません
当たり前の事の様に思える内容ですが、個人情報漏洩保険はあくまでも個人情報を所有・管理または管理を委託されている企業が漏洩させた個人情報でないと保険の対象になりません。

ありがちなケースとしては、インターネット会員を多数抱えている企業A社から会員専用サイトの開発業務を受託したシステム開発会社B社が、B社社員のプログラムエラーにより、A社が保有している会員情報をWebサイト上で閲覧出来る状態になっていた様なケースです。

この場合、個人情報を所有・管理しているのはA社ですから、A社が個人情報漏洩保険に加入していれば保険適用になると思われます。

しかしB社が個人情報漏洩保険に加入していても、B社は個人情報を所有・管理していないので、保険の対象となりません。

ここで微妙になってくるのが、「管理の委託」という項目です。

保険会社が言う「個人情報の管理の委託」というのは、B社がwebサイト開発に際して締結した契約書上で、「個人情報はB社が管理する」と明言されている様なケースや、A社の会員情報をB社が管理するサーバーに格納している様なケースです。

この様に「管理の委託」を受けている場合であれば、B社が個人情報漏洩保険に加入していれば支払対象になると思われます。

では、個人情報を所有・管理・管理委託を受けていないシステム開発業者がシステム上のトラブルで個人情報を漏洩させてしまった場合、どのような保険が適用になるかと言えば、IT賠償責任保険が対象になると思われます。

ですので、想定したい事故を事前にしっかりと把握して、個人情報漏洩保険またはIT賠償責任保険のどちらが必要なのかを検討する必要があります。

2)第三者からみて情報が漏洩したという事が分かる状態である事

保険会社によっては、支払条件として「監督官庁や公共機関に個人情報が漏洩した事実を届け出している事」または「新聞・雑誌・テレビ・ホームページ等で漏洩した事実を公表している事」を挙げている保険会社があります。

ありがちなケースとしては、漏洩した個人情報が数件程度であった場合で、漏洩した個人情報による被害が認められずに、さらには漏洩された人も納得している様なケースで、公表せずに内々に処理をしてしまう場合です。

この様な場合でも、漏洩した人へのお詫びや対応をコンサルタントに相談した場合には諸費用が発生します。

この諸費用を保険で適用させるには、先ほどあげた支払条件に該当しなければなりません。

要するに保険会社から見れば、公表も届出もしていない個人情報漏洩事故は「本当に発生したのか?」と疑問を持たざるを得ない状態である為に、第三者からみて「情報漏洩があった」と思われる様な状態である必要があります。

ただし、この規定は保険会社によって微妙に違いますので、事前に保険約款等で詳細を確認しておく必要があります。

毎年、数件の個人情報漏洩事故があり、対応している中でよく起きるトラブルをまとめました。

参考にして頂ければ幸いです。

関連キーワード:
損害保険  
access
クレジットカード
保険

とれまが保険は、一般社団法人日本ライフマイスター協会、一般社団法人保険健全化推進機構結心会、Insurance Service、三井住友海上、アフラック生命保険株式会社、セコム損害保険株式会社、富士火災インシュアランスサービス株式会社、ひまわり生命、エース損害保険株式会社、KABTO、アイアル少額短期保険株式会社の監修・記事提供を受けて運営されています。当サイトは閲覧者に対して、特定の金融商品を推奨するものではありません。当サイトに掲載されている情報は必ずしも完全なものではなく、正確性・安全性を保証するものではありません。当社は、当サイトにて配信される情報を用いて行う判断の一切について責任を負うものではありません。

一般社団法人 日本ライフマイスター協会 一般社団法人 保険健全化推進機構 結心会 Insurance Service

三井住友海上 aflac セコム損害保険株式会社 富士火災インシュアランスサービス株式会社

ひまわり生命 エース損害保険株式会社 KABTO アイアル小額短期保険株式会社

保険代理店 (457)

  •  生命保険

    生命保険(せいめいほけん)とは、人間の生命や傷病にかかわる損失を保障することを目的とする保険で、契約により、死亡などの所定の条件において保険者が受取人に保険金を支払うことを約束するもの。生保(せいほ)と略称される。

  •  がん保険

    がん保険(がんほけん)とは、日本における民間医療保険のうち、原則として癌のみを対象として保障を行うもの。癌と診断された場合や、癌により治療を受けた場合に給付金が支払われる商品が多い。保険業法上は第三分野保険に分類される。

  •  医療保険

    高額の医療費による貧困の予防や生活の安定などを目的としている。長期の入院や先端技術による治療などに伴う高額の医療費が、被保険者の直接負担となることを避けるために、被保険者の負担額の上限が定められたり、逆に保険金の支給額が膨らむことで保険者の財源が...

  •  年金保険

    年金保険(ねんきんほけん)とは、保険の仕組みを使い、保険料の拠出が前提となっている年金制度。主として私的年金のことを言うが、公的年金の仕組みを指すこともある。 先進国の公的年金はほとんどが保険料の拠出を前提とする制度を採用しており、財源を税のみで給...

  •  自動車保険

    自動車保険(じどうしゃほけん)とは、自動車の利用に伴って発生し得る損害を補償する損害保険であり、強制保険と任意保険とに分類される。農協や全労済などで取り扱うものは自動車共済と呼ばれる。

  •  損害保険

    損害保険(そんがいほけん、英: general insurance, non-life insurance 、仏: assurance de dommages)は、損害保険会社が取り扱う保険商品の総称。略して損保(そんぽ)とも呼ばれる。

  •  火災保険

    火災保険(かさいほけん)は損害保険の一つで、建物や建物内に収容された物品(住宅内の家財用具、工場などの設備や商品の在庫など)の火災や風水害による損害を補填する保険である。

Copyright (C) 2006-2024 sitescope co.,ltd. All Rights Reserved.