2012年01月18日 00時47分更新
法人決算対策において養老保険は非常にオーソドックスな保険です。
養老保険は、保険期間中の解約返戻率が高い事と、支払保険料のほぼ同額が満期金として受け取れるので、人気のある商品です。
福利厚生費として支払保険料の半分を損金計上を行いますので、全従業員の一定割合以上(最低60%以上)を加入させる必要があります。
従業員の加入状況が一定割合を下回ると、一部従業員に対する利益供与と見なされ、福利厚生費としての損金計上が認められなくなります。
養老保険を法人決算で活用する際の最大のネックは、保険期間の設定方法でした。
満期を短くするとすぐに満期が来るので、満期金を受け取る際の雑収入対策が大変でした。かといって保険期間を長くすると、解約返戻率の立上りが悪くなり、従業員が中途退職した際に損をします。
これらの問題を一気に解決するのが、満期返戻金の「年金受取」です。
10年満期の養老保険の満期保険金を、分割して数年に渡り年金形式で受け取る事が一部保険会社で可能になりました。こうする事で、雑収入を数年に分散する事が可能です。雑収入分を上乗せで養老保険に入っても面白いと思います。。。
あともうもう一つの活用法は、契約者貸付との組み合わせです。
養老保険は、上記の用件を満たせば支払保険料の半分を福利厚生費として計上出来ます。残りの半分は保険積立金として資産計上する必要があります。保険積立金を計上するという事は、税引後利益での支払となり、キャッシュフローに影響を与えます。
そこで支払保険料の半分について契約者貸付を受ける事で、現金が手元に入るのでキャッシュフローに影響を及ぼさなくなります。支払保険料の半額を借りるという事は、負担した保険料はキャッシュフロー上は「全額損金計上」出来たのと同じ効果が得られます。
金額・期間・従業員数などあらゆる要素を検討した上で、養老保険を活用する方法も非常に面白いと思います。
個人的には好きな保険商品の一つです・・・。
なお、1月13日と1月16日に最高裁判所にて養老保険に関する判決が出ておりますが、その内容につきましては詳しく次回に解説いたします。
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