「お・も・て・な・し」でぞくぞくっとくる人もいるだろうけど、
私は久々に「さ・め・ず」でぞくぞく来てしまった。
この現象は、主に東京の城南地区に育った男子によく現れる。
横浜では、さしずめ、「ふ・た・ま・た」。
東京以外でお育ちの方にはお分かりにならないかもしれない。
しかし、この種のキーワードは、各地にそれぞれあるはずだ。
男の子が大人になるステップで、大事で、なんとなくウズウズ・
ゾクゾクする、緊張する場所。
あー、もう思い出しても、キューンと来る。
そうです。「警視庁鮫洲運転免許試験場」です。
始めて訪れたのは16歳のとき、自動二輪免許試験受験のためだ。
46年前か…。
京急鮫洲の駅から試験場まで徒歩10分あまり。
その間に「代書屋」や「定食屋」の呼び込みなどは、
刺激的。何か、権威的でおどろおどろしく、
としてふさわしすぎる物たちが迎えてくれた。
あった。献血車もそのひとつだ。事故を連想させ恐怖を煽った。
そのゴールに、「警視庁運転免許試験場」の大看板が現れる。
門前には制服警官が仁王立ち。
試験官がごちゃごちゃ、タバコの紫煙と排気ガスのにおい、
オトコのにおいがプンプン。
16歳の少年はこの空気にすくみっぱなし。挙句に、実務試験では
ラビットスクーター、いきなりS字カーブの入口でこけた。
2回目は昇り坂で追い越して、不合格。
「お前は、頭を使えば合格したのに」と試験官に嘲笑され、
やっと合格。
なんか徴兵検査でも受けている気分だった。
さて、いま、その「警視庁鮫洲運転免許試験場」にいる。
免許の更新、違反者講習受講のためだ。
先日、
この建物は、
あの懐かしい紫煙、エンジン音、排ガスの匂い、
姿も献血車もなかった。そういえば検眼のシャモジもなかった。
すべて、ハイテク・自動化・澄んだ空気。
まるで最新のショッピングモールのようだ。
特にわたしの目を引いたのは「母子コーナー」。
子連れのママさんのためのスペースで、100人ぐらい入れる。
各教室内に設置され、隔離されたガラス張り、
もちろん乳母車ごと利用できる。
中ではスピーカーで教官の講義が聞こえ、
見ることができ、子供の騒ぐ声は外に漏れない。
その上、授乳、
50年経て、なんと日本は「子育てママ」
警視庁までこんなに子育てに理解を示している。
いわんや私たちは…。
頑張ろう「子育て保険アドバイザー」!
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