2012年05月29日 12時20分更新
見事、紹介状を手にいれた私は、魚河岸で有名なところにあるガン専門病院へやってきました。
ナゼにガン専門病院へ転院するのか?というのは至極もっともな疑問です。そこで、こんなことを考えたというのをご披露いたします。
総合病院は手術をする部署は外科という大きなくくりしかないのですが、ガン専門病院は呼吸器腫瘍科や肝胆膵腫瘍科など複数に分かれております。私の場合は消化管腫瘍科にあたるのですが、さらにその中も食道外科、胃外科、大腸外科、消化管内視鏡科と細分化されているのです。たとえて言うなら、ファミレスで食事するのか、麻婆豆腐の専門店で食事するのかの違いみたいなものです。
もちろんファミレスでも麻婆豆腐は食べれるかもしれませんが、作っている量が違います。食べたいものが決まっていれば、そればっかり料理している有名店にいきたいと思いますよね。総合病院の場合、胃の悪性腫瘍の手術件数は年間31件でした。それに対してガン専門病院は年間504件の手術を行っておりました。つまり病名が確定していれば、手術は件数の多いところでするのがよいというわけです。
いろいろな人のブログなんか見ていると、地方の病院で手術すると失敗するということは特にないと思います。ですが、術後の経過が思わしくなかったり、悪いところを取りきれてなくて再入院などというのはあるようです。値段が変わらないなら、麻婆豆腐は陳さんのところで食べたいですよね。
ちなみに、ガン研究で日本一ってことは、世界一ということだそうです。人類の英知の最先端の治療となれば、私でなくとも受けてみたいと思われませんか?
さて、外来で対面した新しい主治医は、スレッガー中尉のような風貌の大男でした。ただし、手だけは異様にキレイです。北海道のヒグマのような体に白魚のような手がついています。女性の手のように爪もキレイに整えられてます。そうか、この手が私の腹の中をまさぐるのかと思うとちょっと安心しました。医師も保険募集人も信頼されるってことが大切ですが、顧客は意外なところを見てそれを判断してるかもしれません。
入院までのいくつかの追加の検査を指示されました。せっかくなんでPETもやってほしいと頼んでみました。というのも、ガンと診断確定する前だとPETは高額ですが、診断された後は保険適用されるので3割負担で受けることができます。ですが、先生はPET盲信はよくないとたしなめられました。CTやMRIで十分わかっているから必要ないとの判断です。好奇心旺盛な私は少し残念に思いましたが、主治医の意見には従いましょう。
先生の見立てでも、病気がけっこう進行しているので胃の全摘出という診断でした。なんとか少しでも残せないかと粘ってみましたが、胃を少しだけ残すと食べる量がホントに少しだけになって、術後に衰弱するそうです。それよりも全摘出して、空腸で代用するルーワイ法という手術をするほうが術後に食事が楽になるそうです。王監督がやった手術です。
病状の説明の際には、多くの部分で王監督の症例が引用されました。王監督は、ベースボールだけでなく胃ガン治療にも金字塔を打ち立てました。立派なかただと思います。
いよいよ入院・手術へ突入です。
【入院前の医療費】
12/22 ¥11,280.- CTその他
12/27 ¥9,110.- 内視鏡その他
1/5 ¥210.- 外来診察
1/11 ¥210.- 外来診察
「誰かを信頼できるかを試すのに一番良い方法は、彼らを信頼してみることである。」 アーネスト・ヘミングウェイ