2018年06月21日 18時29分更新
「Maas」という言葉をご存知でしょうか。
「Mobility as a Service」の略で、「車を所有せず、使いたい時だけお金を払って利用するサービス」のことを言います。バスやタクシー、最近普及してきたカーシェアリングをイメージいただけると判りやすいかと思います。
車は「マイカー」や「愛車」という独特の日本語が示すように、日本では一家に一台ではなく一人が一台の車を持ち、まさに自分の足として暮らしに欠かせない存在になっています。
50代、60代の世代は若い頃からマイカーを持つことに憧れを抱く人が多く「車好き世代」とも言われてきましたが、こうしたシニア世代でも、カーシェアリングを利用し始める人が増えています。
著者もマイカーを手放して13年。毎年払っていた保険料や車検代、駐車場代等々の負担はなくなり、必要な時は目の前にあるカーシェアリングを活用しています。先般も約1時間弱利用しましたが、料金は保険料を含めて1100円強でした。
車は持っているけど平日は殆ど使っていないという方は多いと思います。毎日1時間車に乗っているとしても、その稼働率は1時間÷24時間ですので、4.2%、結果、95.8%は車庫に眠っているということになります。これをうまく活用できないかという発想が「MaaS」の根底にあるそうです。
「MaaS」は自分の所有する車が眠っている間、借りたい人に貸してお金を貰うという「個人間カーシェアリング」という制度になります。こうした「MaaS」を運営する某社には既に13万人の登録があります。この「MaaS」、何故か自動車業界でもてはやされています。
理由は自動運転カーの登場が背景にあります。ドライバーのいないロボットカーが街を駆け回る時代が到来すれば、タクシー料金も安くなり車を所有する必要が無くなりますよね。そうすれば困るのは自動車メーカーで、故に「MaaS」に対抗するのではなく、むしろその流れに乗ろうとする動きを見せているのです。こうした背景をもとに、トヨタ自動車は従来のマイカーとは一線を画する相乗りや商品の配送までが出来る箱型のコンセプトカーを、日産自動車も無人のロボットタクシーの構想を発表しました。
100年に一度の変革期にあるという自動車業界。同様に大きな変革期にある保険業界。
自動車業界は「売るから貸す」に変化していますが、保険業界は如何に変化するのでしょうか。
保険商品自体に変化を求めることは無理なので、保険代理店は「サービスの大幅変化」で立ち向かう必要があると思います。
当たり前でないサービスを構築するための一歩を踏み出して行きましょう!
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