2012年02月27日 10時25分更新
だがECBの資金供給オペは、1日で米国が行った金融緩和の約3分の1の金額のユーロをばらまいたわけであり、そのすさまじさは筆舌尽くしがたいものがある。
もはや古い出来事だが、2012年年明け後1ユーロ=100円割れとなったのは、このECBの資金供給オペが原因とも言われている。
そのECB、2月末に再度期間3年の資金供給オペを行うことを予定している。
しかもその金額は無制限。
金融機関からの申し込みがあれば、担保さえ入れてくれればいくらでも資金供給を行うと宣言している。
2月上旬のイギリスのFT(フィナンシャル・タイムズ)紙によれば、2月末のECBの資金供給オペは、昨年12月の2~3倍の規模に達するかもしれないと報道されている。
2~3倍ということは、日本円換算で100兆~150兆円もの超金融緩和政策である。
仮に、短期間にユーロが前記の金額もばらまかれることになれば、ユーロがだぶつくことになり急激にユーロが売られる可能性も否定できない。
日本銀行の金融緩和など、ユーロの足元にも及ばないことになるわけだ。
一説によれば、日本銀行は1月末の米国のFOMCによる2014年末までの金融緩和継続宣言、2月末に行われるECBの超金融緩和政策に対する予防線をバレンタインデイに張ったとも噂されている。
為替マーケット等は、日本銀行の動きをひとまず歓迎したが、水面下においては、さまざまな駆け引きが行われていると見ておいたほうがよいだろう。
2月末のECBの超金融緩和によるユーロの急落に警戒すると同時に、3月の金融政策決定会合で日本銀行がどう動くのか、年度末にかけてマーケットが波乱含みになるかもしれないことは頭の片隅に入れておきたい。