2018年02月08日 18時09分更新
無料対話アプリ大手のLINEが、1月31日、仮想通貨取引や「保険」、ローンなどの事業を手掛ける金融子会社「LINEフィナンシャル」を設立したと発表しました。
新会社では、「LINE」上で仮想通貨交換や取引所、ローン、保険などのさまざまな金融関連のサービスを提供すると発表されました。
さらに、ユーザーのメッセージを扱ってきた高いセキュリティノウハウに加え、ブロックチェーン技術などの研究開発を積極的に推進し、安全性の高いサービスの提供を目指すとしています。また、この分野に精通した技術者や関連人材の採用も積極的に行うといいます。
LINEは、決済サービス「LINE Pay」を2014年に開始し、2017年の年間取引高は4500億円を突破。
登録ユーザー数も4000万人を突破するなど好調で、今回設立の新会社である「LINE Financial」の設立により、金融事業領域をさらに強化し、キャッシュレス・ウォレットレス社会を見据え、フィンテックの世界をリードする存在を目指すとのことです。
なお、仮想通貨事業関連に関しては、すでに金融庁で仮想通貨交換業者登録のための手続きを開始しており、現在審査中であるとしています。
仮想通貨をめぐっては、取引所大手の「コインチェック」で580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出するハッキング被害が発生し、取引所の安全性が問題となっていますが、LINEは無料通信サービスや「LINE Pay」の実績を強調し、「万全のセキュリティー対策で安心な金融サービス」を提供すると説明しています。
LINEは昨年12月、中国の自転車シェアリングサービス大手の「Mobike(モバイク)」の日本法人、モバイク・ジャパンと共同で国内でのサービスを始めると発表しており、付随する自転車保険なども扱うのだと思います。
さらに、同社は日本のほか、台湾、タイなどLINEの利用者が多い国で展開することを想定しているとも発表されました。
資金力とマーケットを有するLINEがフィンテックをリードしていますね。
決済サービスを持っているので、強いですよね。
楽天が朝日火災を買収すると発表し、楽天は既にある楽天生命に加え、損害保険会社も手にしましたが、保険という分野に行ってしまうと行政の壁が立ちはだかります。
「保険」と「共済」の間のグレーンゾーンにこそ、勝機があるのではないかと考えており、その意味で、LINEの保険参入は大変興味深いものがあります。
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