2015年11月05日 18時01分更新
保険ショップでは不特定多数のお客様を相手にしていますので、求められる能力の一つに「聴く力」があります。
「聞く」ではなく「聴く」です。
「聞く」は「門」の中に「耳」と書きます。「門」は開けたり閉めたり出来ますし、行き来は自由です。その「門」の中に「耳」と書く「聞く」は、ただ単に耳に入るという解釈です。入っているようで素通りしてしまえば理解もされません。
一方、「聴く」という字を分解すると「耳」と「目」と「心」という字が入っています。耳だけで聴くのではなく、相手の表情や仕草、目を見ながら「目」でも「聴く」、そして「心」を持って聴くことを示しています。
保険募集人の多くが「聴く」ことが出来ません。
「しゃべりすぎ」です。お客様が20%、保険募集人が80%というのが標準的パターンでしょうか。
こんな話を保険募集人を集めたセミナーで良く使いますが、セミナー参加者の中からは間違いなく「そんな話聞き飽きたわー」という声が出ます。そもそもこの発言をすること自体人の話を聴こうという姿勢がないことを表していますよね。
申し訳ありませんが、こうした人を指導して「聴ける」ようにすることは困難だと考えています。「素直さ」がなければ人は学ぶことは出来ません。また何でも周りの人が悪いと責任転嫁する方も無理だと思います。
従って、保険代理店さんは募集人を採用する際に「素直」かどうかだけ判断されれば大丈夫と指導もしています。
「聴く」ためには何をすべきか。
簡単です。「その人に興味、関心を持つこと」です。興味、関心を持って色々会話を進めて行けば色々な情報が入手できます。但し、沢山の話の中から入手した情報は整理する必要もありますよ。無駄に聴かないことも大切です。
セミナーで聴く力を養うセミナーをして実際にやってもらいますが、殆どの方が「しゃべりすぎ」になります。
これを解消する方法のひとつは「飴を舐める」ことです。如何にも飴を舐めていることがお客様に分かっては失礼極まりないので十分に注意することが必要ですが、飴を舐めていれば必然的にしゃべれません。お客様の声を聴くしかありません。聴きながらメモを取り、お客様には「この人、私の話を聴いてくれている」と感じさせないといけません。
経験の浅い方は聴く質問を事前に考えておいても良いかと思います。セミナーでは一人100質問くらいは考えてもらったりしています。
改正保険業法の意向把握義務の中で「聴く力」が求められています。
もう一度、原点に帰って聴くことに注力して行きましょうー!